慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
マス・コミュニケーション論
担当教員名
山腰 修三/烏谷 昌幸
科目設置 法学部専門教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 甲類・乙類 単位 2
キャンパス 三田 共通開講学部 文学部「マス・コミュニケーション論」として開講、経済学部「マス・コミュニケーション論」として開講
設置年度 2024 授業コード 72425

授業科目の内容

 本講義は、現代社会においてマス・コミュニケーションが果たす政治的、社会的機能を理解することを目的とする。
 マス・コミュニケーションは現代社会を成立させる基盤の一つとなっている。この基本原理はインターネットの発達やマス・メディアのプレゼンスの相対的低下が進む中でも変わらない。むしろ、デジタル化によるメディア環境の変化が進展し、メディアと関連した政治現象や社会現象がますます複雑・多様化する中でマス・コミュニケーションの現代的特徴を捉えることはますます必要となっている。
 マス・コミュニケーションを捉えるためにはコミュニケーションという社会過程だけでなく、それを可能にするメディア、そしてそれらを取り巻く社会に関する理解が欠かせない。そこで本講義では教科書を手がかりに、マス・コミュニケーション、メディア、社会の関係性をめぐる基礎知識や概念、モデル、視座を解説する。

第1回講義内容
コミュニケーションの基礎概念:マス・コミュニケーションについて理解するために、「コミュニケーション」の捉え方やその定義について説明する。

第2回講義内容
コミュニケーションと社会構造:コミュニケーションと社会との関係性を捉える上で重要な分析概念を説明する。また、そうした視座に基づく代表的な研究アプローチを紹介する。

第3回講義内容
近代社会とマス・コミュニケーション:マス・メディアが近代化の流れの中で登場し、それによって担われたマス・コミュニケーションがどのように展開してきたのかを論じる。

第4回講義内容
マス・コミュニケーションの効果・影響モデルの変遷(1):マス・コミュニケーションの効果研究の展開について、初期の「弾丸効果モデル」および「限定効果モデル」を中心に説明する。

第5回講義内容
マス・コミュニケーションの効果・影響モデルの変遷(2):マス・コミュニケーションの効果研究の展開について、現代にいたる「強力効果モデル」や近年のいくつかの研究を紹介する。

第6回講義内容
政治コミュニケーション論の展開(1):コミュニケーションの政治的機能について、「批判的コミュニケーション論」の観点から概説する。

第7回講義内容
政治コミュニケーション論の展開(2):政治コミュニケーション研究はメディアやコミュニケーションに関わる現象を、権力の問題として読み解いていく。その基本的な視座をもとにしながら、権力論の発展に伴い政治コミュニケーション研究が対象領域を拡張させながら発展してきた経緯を論じる。

第8回講義内容
メディアの表象と言説:政治コミュニケーション研究が研究領域を拡大させるに伴い、政治シンボルとしての「言葉」に大きな注目が集まるようになった。メディアが生産する言葉を分析していくために重要な基礎概念である表象と言説について説明を加える。

第9回講義内容
報道と公共の利益:現代社会における報道は、どのような形で公共の利益と関わっているのか。報道について考えるための基礎的な用語とともに解説していく。

第10回講義内容
メディアイベント:事例を踏まえながらメディアイベント論について取り上げ紹介していく。

第11回講義内容
技術と人間:情報化の概念について批判的に検討を加えながら、技術と人間の関わりを考えるための基礎的な学説を取り上げて紹介する。

第12回講義内容
試験・総括

その他の学習内容
  ・授業時にリアクションペーパーの提出を要求する。

成績評価方法

授業内試験(最終回実施)による評価。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

コミュニケーション論/大石裕 通信テキスト 2022

受講上の要望、または受講上の前提条件

講義内容は一見すると難解に見えますが、マス・コミュニケーションやジャーナリズムの実態を踏まえながら、できるだけわかりやすく講義を行うつもりです。受講者は、ニュースにできるだけ問題意識をもって接するようにしてください。教科書に基づく説明や解説が多くなりますので、予習や復習の際に教科書を活用してください。