慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
国語科教育法Ⅱ
担当教員名
中地 譲治
科目設置 教職科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 単位 2
キャンパス 日吉 共通開講学部 -
設置年度 2024 授業コード 82409

授業科目の内容

この授業の到達目標及びテーマは次のように示される。
(1) 国語科における教育目標、育成を目指す資質・能力を指導案の作成と模擬授業に生かすことができる。
(2) 学習指導要領に示された国語科の学習内容をもとに学問領域と関連させた授業を構想できる。
(3) 様々な学習指導理論を踏まえて具体的な授業場面を想定した模擬授業を行うことができる。
 そのために本授業においては、求め深めている自身の国語教育観のもとで、テキスト科目で習得している知識や熟読している学習材を、実際の授業を想定しながら教材として生かすための身体的な感覚を涵養する。まず、国語教員としての知識である国語に関する知識および国語の授業を展開するための知識を、対面授業に居合わす学習者同士で検討し合い、本授業を担い合う関係作りを目指す。その上で、お互いに国語教育観の修正を試みながら、教授者として模擬授業を行ってみて、また学習者の側にもなってみて、知識・理論に実践的な深みを与える。最後に、それまでの学びのプロセスをリフレクションとして図解化し、またそれをレポートとしてまとめる。学習者を評価するには教授者自身が自己評価できなければならないということを体験を通して実感する。
 したがって、教科教育法のスクーリング授業では、学習者が「先生」になってみて、「生徒」にもなってみて、実際の教室と同じ体験をすることが求めらる。そのために授業は、お互いが授業作りに責任をもって取り組むために参画的でなければならない。お互いがその参画者となって、「国語」の成り立ち、教材研究、指導方法、評価の問題等々を協働して考え、実践する。また、教育実習を前提にした模擬授業を行うこともこの授業に求められている。履修者の人数によって時間配分は変わるが、計画―実践―リフレクションというサイクルを二回は経験できるようにする。模擬授業を行うために考えるべきことは、次のようになろう。
 ①「教材選択」と「教材研究」のありかたを考え、
 ②生徒が主体になるための「言語活動」を構想し、
 ③「質問」と「発問」の違いを明確に見極め、
 ④ 「自己形成的評価」のためのテスト問題の作り方を体得し、
 ⑤ 学びの継続性と「自己啓発」につながる学びのあり方を常に目指していく。
 多年にわたる中学校・高等学校での国語教員としての実務経験をこの授業にも生かして、机上の空論ではない実践的な講義を心がけたい。

第1回講義内容
 国語教育の基盤としての言語行為の成り立ち   ①読む・書く・話す・聞く(ラベルトーク入門)

第2回講義内容
  ②自己形成的な国語力育成のための発問

第3回講義内容
 今を生きるための言葉はどうあるべきか   ①「生きる力」と「PISA型学力」

第4回講義内容
  ②高大連携の時代における国語力

第5回講義内容
 現代文テキストに即して論理と共感とを取り結ぶ   ①文学的な文章を学習材とした模擬授業

第6回講義内容
  ②論理的な文章を学習材とした模擬授業

第7回講義内容
 ICTを生かした「話す・聞く」の授業   ①「インタビュー」と「スピーチ」の授業

第8回講義内容
  ②「ポスターセッション」と「説明」の授業

第9回講義内容
 風土への共感   ①散文的な古典テキストでの模擬授業

第10回講義内容
  ②韻文的な古典テキストでの模擬授業

第11回講義内容
 授業を通して得られた“経験知”を形にする   ①「自己評価レポート」の作成

第12回講義内容
  ②「学びのプロセス図解」の作成

その他の学習内容
  ・課題・レポート
  ・kcc-channel等で通知する事前課題を行った上で出席すること

成績評価方法

毎回の「ラベルワーク」への取り組みと模擬授業(教案作成も含む)の内容、および課題(「学びのプロセス図解」「自己評価レポート」の作成)を総合して評価する。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

オリジナルテキストを準備します。『中学校学習指導要領解説「国語編」(平成29年告示)』と『高等学校学習指導要領解説「国語編」(平成30年告示)』文部科学省(文部科学省のホームページからもダウンロードできる)も準備しておいてください。

参考文献

町田守弘(編)『実践国語科教育法「楽しく、力のつく」授業の創造 第四版』(学文社2024年)
田近洵一・鳴島甫編『中学校・高等学校 国語科教育法研究』(東洋館出版社2013)

受講上の要望、または受講上の前提条件

教科教育法という科目は、知識の蓄積・整理という側面と、授業実践という側面とがバランスよく配列・展開されなければならない。したがって個々人ではなく履修者全員で学び合うことになる。参画的に学ぶこと(スクーリング)を、豊かな協同経験=言語経験に高めることが大切である。そのためには、授業への主体的な参画意欲がなければならない。また、週一回の授業であれば宿題は翌週までにこなせばよいが、6日連続1日105分×2時間の授業では、毎回連続で課題をこなさなくてはならない。体調を整え、集中して取り組んでほしい。また、授業参画のために「ラベルワーク」の手法を用いる。

講師の実務経験※実務家としての経験があり、その知見が授業に反映されている場合に、「あり」と表示されます

あり