科目名 | |||
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社会政策 | |||
担当教員名 | |||
駒村 康平/平澤 祐月 | |||
科目設置 | 経済学部専門教育科目 | 授業形態 | 夜間スクーリング |
科目種別・類 | 単位 | 2 | |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | 62426 |
現在、日本は急速な人口減少と高齢化に直面しています。2070年には総人口は9000万人を割り込み、高齢化率は40%に接近、国民の2.6人に1人が65歳以上の者となる社会が到来すると推計されています。
人口の高齢化は社会保障給付費の増加を伴います。社会保障費用負担はすでに膨大なものになっており、今後も増加し続けることが見込まれます。現在の日本の財政状況はきわめて深刻であり、財政赤字はその尺度によって多少の違いがあるものの、先進国のなかでももっとも大きな部類にはいり、今後、社会保障制度の横断的な見直しは不可避となっています。ただし、持続可能な社会保障制度の確立は社会保障の給付カットのみで達成されるわけではありません。むしろ子どもの貧困対策や少子化対策など、現役世代向けの給付の充実はますます必要になります。社会保障制度が将来も持続可能となるためには、財政のみならず安定した社会・経済が不可欠です。
労働政策は、良好な労働条件を労働者に保障します。労働を通じて経済活力を高めることにより、社会保障制度の持続可能性が高まることになります。すなわち、女性や高齢者、さまざまな障害を持った人々が就労し、税・社会保険料を負担することは、社会保障制度の持続可能性に貢献します。
このように人口減少・少子高齢社会のなか、労働政策と社会保障を包摂する社会政策の重要性はますます大きくなっています。
この講義では、社会政策の歴史と役割について学んだうえで、貧困問題や労働政策、障害者福祉、児童福祉、年金、医療、介護などを中心に取り上げ、それぞれについて①現行制度の歴史と体系、②現行制度が抱える問題点、③最近の改革動向について学びます。
第1回講義内容
イントロ(講義の概要と目的)、社会政策とは
第2回講義内容
現代の社会保障制度の仕組みと人口問題
第3回講義内容
社会保障の歴史
第4回講義内容
所得保障制度の役割
第5回講義内容
貧困と生活保護制度
第6回講義内容
労働政策:雇用保険、労災保険
第7回講義内容
障害者福祉と障害者雇用
第8回講義内容
児童福祉
第9回講義内容
年金制度:制度の仕組み・財政状況・歴史と発展・年金制度の課題
第10回講義内容
医療保障:医療保障の概要、医療保険の仕組み、医療保障制度改革
第11回講義内容
介護保険:介護保険の仕組みと課題、改革
第12回講義内容
総括
その他の学習内容
・課題・レポート
期末試験により評価します。
新・福祉の総合政策/駒村康平編 創成社 2018
・予習として、各日の学習するテキストの該当箇所を事前に読んでおくこと、復習として、その日に学んだことやポイントをノートやテキストをもとに整理しておくこと、それぞれ90分程度かかることが想定される。
・講義資料はオンラインにてPDFで配布するため、PCを持参するのが望ましい。