科目名 | |||
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哲学史 | |||
担当教員名 | |||
豊田 泰淳/郷家 祐海 | |||
科目設置 | 法学部専門教育科目 | 授業形態 | 夜間スクーリング |
科目種別・類 | 甲類・乙類 | 単位 | 2 |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | 文学部専門教育科目:哲学史 |
設置年度 | 2024 | 授業コード | 52404 |
本講義は、古代ギリシャ哲学における「プシューケー(魂)」概念に焦点を当てる。ソクラテスが「魂の配慮」を哲学の中心課題としているように、古代ギリシャの哲学にとって「魂」という概念はとりわけ重要な役割を担っている。古代ギリシャにおいて「プシューケー(魂)」という言葉は様々な場面で用いられており、現代における「心」や「心理」といった言葉よりも広い意味をもつ。古代ギリシャにおける魂とは、世界の様々な物事についての認識や欲求といった働きをもつだけでなく、「生きる」ということそのものの根本原理でもある。
しかし、このように多様な活動を魂に担わせることは、それだけ多様な哲学的問題を引き起こすことにもなっている。たとえば、世界の物事と魂のかかわり(「知る」・「思う」・「欲する」・「よろこぶ」など)についての心の哲学あるいは認識論的な問題、魂(心的領域)と身体(物体的領域)とのかかわりについての存在論的な問題、「よく生きる」ということについての倫理的な問題などが挙げられるだろう。
本講義では、古代の哲学者たちが、「魂」をどのようなものとして捉えてきたのか、さらには、上記のような諸問題に対してどのように対峙し、乗り越えようとしたのかを辿っていく。
前半(第1回~第6回:郷家担当)では、プラトンとアリストテレスの魂についての理解を中心に検討する。
後半(第7回~第12回:豊田担当)では、いわゆるヘレニズム時代から古代後期にかけて諸学派が提示した魂理解のバリエーションと、その学派間における批判と継承の様子を確認する。
第1回講義内容
前半の導入
第2回講義内容
プラトン①
第3回講義内容
プラトン②
第4回講義内容
アリストテレス①
第5回講義内容
アリストテレス②
第6回講義内容
前半の総括
第7回講義内容
後半の導入
第8回講義内容
ストア派
第9回講義内容
エピクロス派
第10回講義内容
ペリパトス派
第11回講義内容
プラトン派
第12回講義内容
総括
その他の学習内容
・課題・レポート
・必要に応じて、成績評価とは関わらないリアクションペーパーを配布することがある。
最終回授業時の授業内試験による。
プリントを適宜配布する
『ギリシア哲学史』/納富信留 筑摩書房 2021
『古代ギリシア・ローマの哲学 ケンブリッジ・コンパニオン』/D.セドレー編(内山勝利監訳) 京都大学学術出版会 2009
『ヘレニズム哲学 ストア派、エピクロス派、懐疑派』/A.A.ロング(金山弥平訳) 京都大学学術出版会 2003
『新プラトン主義を学ぶ人のために』/水地宗明、山口義久、堀江聡編 世界思想社 2014
受講にあたって特別な予備知識は必要としません。
配布資料や参考文献を適宜参照しつつ、毎回の授業内容を復習してください。