科目名 | |||
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倫理学(専門) | |||
担当教員名 | |||
西山 晃生 | |||
科目設置 | 法学部専門教育科目 | 授業形態 | 夜間スクーリング |
科目種別・類 | 甲類・乙類 | 単位 | 2 |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | 文学部専門教育科目:倫理学(専門) |
設置年度 | 2024 | 授業コード | 52406 |
フランスの哲学者、アンリ・ベルクソン(1859-1941)が晩年(1932年)に発表した『道徳と宗教の二つの源泉』(以下『二源泉』と略記)を講読します。『二源泉』はその名の通り、道徳と宗教が生じる「源泉」について論じた著作です。また、その議論を通じて社会の成り立ちや変化を解き明かす試みでもあります。
同書はかなり自由な仕方で書かれており、話題が拡散していくために独特の読みづらさがあることは否めません。その反面、様々な仕方でアプローチできることが魅力です。さしあたり列挙するだけでも、私たちは『二源泉』を
1 ベルクソン哲学の総決算として
2 同時代の諸学説と競合・影響関係にある道徳論、社会論として
3 キリスト教神秘主義と哲学を関連づけた宗教論として
4 同書が発表された1930年代における危機(戦争による破滅)から人類が生き延びるための提言として
読むことができます。本授業ではこのうち2と4の読み方を中心に『二源泉』の議論を検討していきます(ただし、全体を把握するためには1、第3章を理解するためには3の視点が不可欠であり、これらにも多少触れることになるでしょう)。また、100年近く前の哲学書が今日持ちうる意味を考えてみたいと思います。
授業は講義形式で行いますが、授業内で発表をしたいという希望があれば受け付けます(ご相談ください)。
第1回講義内容
ベルクソン哲学についてのイントロダクション
第2回講義内容
『二源泉』の問題構成
第3回講義内容
『二源泉』第1章(1)責務について
第4回講義内容
『二源泉』第1章(2)閉じたものと開かれたもの
第5回講義内容
『二源泉』第1章(3)戦争について
第6回講義内容
『二源泉』第2章(1)創話機能について
第7回講義内容
『二源泉』第2章(2)静的宗教
第8回講義内容
『二源泉』第3章(1)神秘主義について
第9回講義内容
『二源泉』第3章(2)動的宗教
第10回講義内容
『二源泉』第4章(1)神秘主義と機械主義
第11回講義内容
『二源泉』第4章(2)単純な生について
第12回講義内容
全体のまとめ
その他の学習内容
・課題・レポート
学期末のレポートによって評価する。
『道徳と宗教の二つの源泉』/アンリ・ベルクソン著、合田・小野訳 筑摩書房 2015年
プリントを適宜配布する
哲学、倫理学、ベルクソン、フランス語に関する知識は特に必要ありません。毎回、次の授業で扱う箇所を指定するのでよく読んでおいてください。