科目名 | |||
---|---|---|---|
経済法 | |||
担当教員名 | |||
渕川 和彦 | |||
科目設置 | 経済学部専門教育科目 | 授業形態 | 夏期スクーリング |
科目種別・類 | 単位 | 2 | |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | 法学部専門教育科目:経済法 |
設置年度 | 2024 | 授業コード | 72417 |
企業間の活発な競争は、価格の低下、品質・サービスの向上、顧客のニーズにあった商品の開発など、様々な利益を消費者にもたらす。経済憲法とも称され、経済法において中核的な役割を占める独占禁止法はこのような競争を維持し促進するための法律であって、カルテル、入札談合や企業結合などを規制している。本講義では、独占禁止法の主要規定(3条、19条、第4章(企業結合規制))に加えて、グローバル経済に伴う国際取引における独占禁止法上の諸問題を学ぶ。独占禁止法ないし競争政策の基本的な考え方を学ぶとともに、これらを具体的事例に応用する力を習得することがこの講義の目的である。
第1回講義内容
経済法の基礎理論((1)経済法の基本概念、(2)独禁法の三本柱、(3)企業結合規制)
第2回講義内容
企業結合規制((1)企業結合規制の基本的な考え方、(2)市場画定、(3)競争の実質的制限)
第3回講義内容
不当な取引制限(1)((1)共同行為の意義、(2)意思の連絡、(3)相互拘束、(4)共同遂行)
第4回講義内容
不当な取引制限(2)((1)競争の実質的制限、(2)公共の利益、(3)課徴金納付命令、(4)課徴金減免制度、(5)刑事罰)
第5回講義内容
事業者団体規制((1)事業者団体の意義、(2)事業者団体と不当な取引制限、(3)事業者団体規制の実態規定)
第6回講義内容
私的独占((1)独占規制の理論的基礎、(2)排除型私的独占、(3)支配型私的独占、(4)排除措置命令)
第7回講義内容
独占禁止法違反事件の処理手続・民事的救済制度((1)違反事件の処理手続、(2)排除措置命令・課徴金納付命令、(3)差止請求、(4)損害賠償)
第8回講義内容
不公正な取引方法(1)((1)共同の取引拒絶、(2)単独の取引拒絶、(3)不当な差別対価、(4)差別的取扱、(5)事業者団体における差別的取扱)
第9回講義内容
不公正な取引方法(2)((1)不当廉売、(2)不当高価購入、(3)ぎまん的顧客誘引、(4)不当な利益による顧客誘引、(5)景表法、(6)不当な取引強制)
第10回講義内容
不公正な取引方法(3)((1)排他条件付取引、(2)再販売価格維持行為、(3)拘束条件付取引)
第11回講義内容
国際取引 (独禁法の域外適用・国際カルテル・並行輸入)
第12回講義内容
試験・総括
その他の学習内容
・小テスト
最終回における科目試験(80%)および小テスト(20%)によって評価する。
経済法〔第9版補訂〕: 独占禁止法と競争政策/岸井大太郎他 有斐閣 2022
経済法判例・審決百選 第2版 /金井貴嗣他編 有斐閣 2017
産業組織論 -- 理論・戦略・政策を学ぶ/小田切宏之 有斐閣 2019
他の科目を事前に履修することを必要とするものではない。予習として、各日の学習するテキストの該当箇所を事前に読んでおくこと、復習として、その日に学んだことやポイントをノートやテキストをもとに整理しておくこと、それぞれ90分程度かかることが想定される。