科目名 | |||
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国際金融論 | |||
担当教員名 | |||
田中 巌 | |||
科目設置 | 法学部専門教育科目 | 授業形態 | 夏期スクーリング |
科目種別・類 | 甲類・乙類 | 単位 | 2 |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | 経済学部専門教育科目:国際金融論 |
設置年度 | 2024 | 授業コード | 62431 |
この授業の目的は、国際金融の理論を学習し現実の様々な問題について批判的に検討(critical thinking)することが出来るようになることです。世界経済においては近年、新型コロナウイルスによるパンデミックとロシアによるウクライナ侵攻の問題が影響し、物価高が深刻な課題となっています。また、日本経済にとっては円安・ドル高が大きく進んだ時期も経験しました。お金(マネー)の動きはこのような現象の中心にあります。グローバルなマネーの動きは為替レートに影響しますので、マネーの動きの変化がどのようなことによって引き起こされるのかを知る必要があります。私たちには考え方の枠組み(理論)を身に付けて、主体的に実際の経済問題を分析し検討出来るようになることが求められています。
2008年に発生した世界的な金融不信の問題を理解する時もグローバルなマネーの動きについて知る必要がありました。それは、各国の利子率と為替レートとの関係、実需や予想(期待)が与える為替レートへの影響、短期的視点と長期的視点の違いなどの基礎概念と為替レートの決定理論を理解することが大切であることを意味します。また、国際収支表や実質為替レートの理論を学ぶことで、金融部門と実物部門の関連性や生産性の影響について捉えることが出来ます。さらに、通貨危機の発生メカニズム、固定相場制と変動相場制のメリット・デメリットについて考察することもこうしたグローバルなマネーの動きを理解する上で重要です。
授業では、理論、制度、政策という経済分析に欠くことのできない視点を重視して講義し、国際収支表と為替レートについての理解を深めていきたいと思います。
第1回講義内容
イントロダクション、国際資本移動の経済学
第2回講義内容
経常収支問題、国民所得勘定と国際収支表①(国際収支表とは)
第3回講義内容
国民所得勘定と国際収支表②(国際収支表の読み取り)
第4回講義内容
国民所得勘定と国際収支表③(開放経済におけるマクロの国民所得恒等式とその解釈)
第5回講義内容
為替レートと外国為替市場、国際通貨制度の歴史的変遷
第6回講義内容
変動相場制と固定相場制、政府による外国為替市場への介入、共通通貨
第7回講義内容
為替レートの決定因①(需要・供給曲線によるモデル)
第8回講義内容
為替レートの決定因②(利子平価説(短期のモデル))
第9回講義内容
為替レートの決定因③(為替レートのオーバーシューティング)
第10回講義内容
為替レートの決定因④(購買力平価説(長期のモデル))
第11回講義内容
実質為替レート、物価と生産性、バラッサ=サミュエルソン効果
第12回講義内容
試験・総括
その他の学習内容
・課題・レポート
100点満点で評価します。授業参加点が20点、宿題は20点、最終日に行う試験は60点です。90点以上がS、80点~89点がA、70点から79点がB、60点から69点がC(以上合格)、59点以下がD(不合格)となります。
プリントを適宜配布する
International Economics: Theory and Policy,12th Edition(Global Edition)/Krugman,Paul R.,Maurice Obstfeld,and Marc J. Melitz Pearson Education 2022
ゼミナール国際経済入門〔改訂3版〕/伊藤元重 日本経済新聞出版社 2005
経済原論のマクロ分野の知識を必要とし、抽象的なグラフと簡単な数式を用います。統計データを読むことに意欲的で、現実の国際経済問題を理解することに情熱を持っている履修者を歓迎します。