科目名 | |||
---|---|---|---|
教育心理学 | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 第1類 | 単位 | 2 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2025 | 授業コード | T0EA005502 |
〔授業の到達目標及びテーマ〕
教育に関わる基礎的な心理学的知見について正確に理解し、教育活動に役立てられるようになる。
〔授業の概要〕
幼児、児童及び生徒の心身の発達・学習・教育に関わるさまざまな心理学知見を、科学的な理論とエビデンスに基づき、特に重要な三つの領域「発達」「学習」「学習環境と教育実践」の視点から概説し、教育との関連を考察する。
〔授業計画〕
この科目は「教育心理学」の中心的なテーマである「発達」「学習」「学習環境と教育実践」に関わる主要な理論を、科学的エビデンスに基づいて理解し、人間の生涯にわたる「教育による学習」についての認識を深め、とりわけ幼児、児童及び生徒のためのよりよい教育的指導と教育環境の設定を行うことができるように自ら考えてもらうことが目標である。指定教科書の章立ては以下のとおりであり、全15回分の講義内容に相当する。
序章 教育心理学とは(第1回)
第Ⅰ部 発達のメカニズム
序論1 発達とは何か(第2回)
第1章 知性の発達(ヒトの知性、知性発達のみちすじ、知性の個人差の形成)(第3回)
第2章 言語獲得(言語の種固有性と領域固有性、言語の発達段階、言語獲得の論理的問題、メタ言語意識の発達と教育)(第4回)
第3章 社会性の発達(社会関係、社会的認知、社会行動)(第5回)
第4章 パーソナリティ(パーソナリティの理論、パーソナリティの構成、パーソナリティへの介入)(第6回)
第Ⅱ部 学習のメカニズム
序論2 学習とは何か(第7回)
第1章 知識獲得(記憶の3段階、短期記憶、長期記憶、読解による知識獲得)(第8回)
第2章 思考(思考とは何か、問題解決、思考力を育む)(第9回)
第3章 動機づけ(動機づけとは何か、認知論的アプローチ、欲求論的アプローチ、感情論的アプローチ、教育環境と動機づけ)(第10回)
第Ⅲ部 学習環境と教育実践
序論3 教育実践とは何か(第11回)
第1章 教育方法(学習の理論と教育方法、発達過程と教育方法、授業をつくる、特別なニーズをもつ子どもへの学習支援、教育方法における今後の課題)(第12回)
第2章 学習評価(学校での学習における評価、学習評価の方法、学習を促進する評価)(第13回)
第3章 教育とカウンセリング(教師とカウンセラー、教師に求められる臨床的視点とは、アセスメント、スクールカウンセラーの専門性、スクールカウンセラーの立ち位置)(第14回)
第4章 学習環境と個性(教授学習過程と学習者の個人差、適性処遇交互作用(ATI)、学習能力の個人差、予習の効果におけるATI、個人差の問題を扱った英語の教育実践に関する研究、ATI研究に基づく個別指導の時代を目指して)(第15回)
テキスト本文の学習だけでなく、コラムにも関心を寄せて、具体的な事例を想定しながら理解を深めてほしい。
教育心理学の標準的な内容であり、参考文献・参考資料はここにあげたもの以外にも類書、ウェブなど多様にあるので、随時参照し、さらに自身あるいは知人家族など、実在する人間の実際の具体的な教育体験や学習経験との関連をつけながら理解を深めて欲しい。
レポートの合格を前提として科目試験によって評価する。
鹿毛雅治編著『発達と学習(未来の教育を創る教職教養指針)』学文社、2018年
藤澤伸介編『探求! 教育心理学の世界』新曜社、2017年
瀬尾美紀子著『Progress & Application 教育心理学』サイエンス社、2021年
開一夫・齋藤慈子編『ベーシック発達心理学』東京大学出版会、2018年
テキストの丸写しではなく、自分の言葉に置き換えて説得性をもたせて欲しい。