慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
管理会計論
科目設置 経済学部専門教育科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2025 授業コード T0EB100801

講義要綱

 「経営会計」と呼ぶべき管理会計学は、今日では会計の枠に留まらず、組織の経営管理(法務・労務を除く)を担っています。2025年度から経営学・会計学にまたがるこの重要科目を新設し、カリキュラムの充実を図ります。
 「MBAでは教わらない管理会計の実践知がここにある。」このスローガンを掲げた実践的管理会計セミナー『実践経営会計塾』の講演パートを再構成して書き下ろしたのが指定教科書です。
 本科目では、「こうあるべき」という規範論や、簿記や原価計算のように手続きを論じるのではなく、他社はどうしているのか、また最先端の理論では何が分かっているのかという観点から、学び、考えていただくことを目的としています。そのため、指定教科書では、経験則に基づく実践知の提示だけでなく、「実態調査」、「事例研究」と称し、日本企業の傾向(他社はどうしているのか?)や先端企業の取り組み(すごい企業はどうしているのか?)を紹介するように心がけました。

 学習範囲は,全11章(295ページ)のうち,第2章から第8章まで(187ページ分)を対象としています。

 指定教科書のうち、学習範囲の構成は次の通りです。

【第2部 コストマネジメント】
 2章 原価企画の現状と課題
 3章 統合コストマネジメント(標準原価管理,原価改善,開発購買など)
 4章 小集団利益管理活動の可能性
【第3部 業績管理】
 5章 稼ぐ経営から企業価値向上へ(キャッシュフロー経営,Non-GAAP指標,ROIC経営,KPIマネジメントなど)
 6章 バランスト・スコアカードと戦略マップの活用可能性
 7章 予算管理の新潮流
 8章 設備予算マネジメントの最新動向

テキスト

吉田栄介著『実践経営会計』(中央経済社,2021年)

テキストの読み方

 各章は独立した内容になっていますので、初めから読み進める必要はありません。
 ご興味のあるテーマから読み始めてください。

履修上の注意

 経営会計の重要性は、組織規模が150名程度を越えると増してきます。そのような大規模組織(企業に限らず、学校や病院、各種団体、NPO/NGOなど)の設計・運用にご興味のある方ならば、是非、履修してください。

成績評価方法

他のテキスト科目同様です。レポートの合格を前提として科目試験によって評価します。

参考文献

吉田栄介『実践Q&A KPIマネジメントのはなし』中央経済社,2021年。
吉田栄介・伊藤治文『実践Q&Aコストダウンのはなし』中央経済社,2021年。

レポート作成上の注意

特になし。