慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
新・国際法Ⅱ
科目設置 法学部専門教育科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 甲類・乙類 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2025 授業コード T0EC006704

講義要綱

 国連憲章は加盟国に国際紛争の平和的解決義務を課し、武力による威嚇と武力行使を禁止しています。しかし、国際社会で生じる武力紛争は依然として多数にのぼる状況です。これまで国際法は武力紛争に適用可能な様々な規則を発達させてきました。限界はなお存在しますが、それをどのように克服しようとしているのかを学ぶこと、これが「国際法Ⅱ」の目標です。
 「国際法Ⅱ」は紛争解決、武力紛争法(国際人道法)を対象とし、指定教科書の構成は次のとおりです。
 第1部 総論
   第4章 紛争解決
   introduction 紛争の平和的解決手続とは
   1 非裁判手続
   2 仲裁裁判
   3 国際司法裁判所(ICJ)
   4 国際海洋法裁判所(ITLOS)
   5 人権裁判所
   6 国際刑事裁判所(ICC)
 第2部 各論
  第10章 戦争と国際法
   1 戦争の禁止
   2 平和に対する罪
   3 人道に対する罪
   4 戦争犯罪
   5 集団安全保障
   6 自衛権
   7 日米安保
   8 国際人道法
   9 捕虜
   10 文化財の保護
   11 化学兵器の禁止
   12 核兵器
   13 軍縮

テキスト

大森正仁 編著『入門 国際法』法律文化社、2024年

テキストの読み方

 条約集を手元に置いて、該当する条約の規定を参照しながらテキストを読んでください。また、判例集の活用も有効です。
 テキスト第2部各論(第9章 国際連合と国際法、第11章 日本と国際法)についても、第1部総論とのつながりで読み進めてください。

履修上の注意

法学の基本的な知識を修得しておくことが必要ですが、何よりも国際社会で生じている出来事に強い関心を持って、法的観点から問題を考えることが重要です。

関連科目

国際法I

成績評価方法

 科目試験による。

参考文献

『国際条約集2025年版』(有斐閣)、『ベーシック条約集2025年版』(東信堂)
森川幸一他編『国際法判例百選』(有斐閣、第3版、2021年)
薬師寺公夫他編『判例国際法』(東信堂、第3版、2019年)
岩沢雄司『国際法』(東京大学出版会、第2版、2023年)
浅田正彦編『国際法』(東信堂、第5版、2022年)
小松一郎『実践国際法』(信山社、第3版、2022年)

レポート作成上の注意

 課題は基本的事項を問うものです。根拠となる条約の規定を参照し、テキストの内容を理解した上で、自分の言葉で論じてください。
 作成にあたっては参考文献(学術雑誌掲載論文を含む)を検索して読むよう努めてください。文献引用はレポートの一部ですので正確に行うことが必要です。どこまでが他の人の意見で、どこからが自分の意見であるのか明確にしてください。