科目名 | |||
---|---|---|---|
社会科学概論 | |||
担当教員名 | |||
蔭木 達也 | |||
科目設置 | 総合教育科目 | 授業形態 | 夏期スクーリング |
科目種別・類 | 3分野科目/社会科学分野 | 単位 | 2 |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2025 | 授業コード | 12530 |
私たち一人一人の人間個体は、人間以外の生物や自然環境の中で単独で生きていけるほど強くは作られていませんね。ですから集まって助け合わなければ生きていけないのですが、しかし人々が集まれば、そこには争いが生まれ、貧富が生まれ、抑圧や支配が生まれる。これを放っておくとやがてみんな死んでしまう、それに苦しむ人を見るのは心が痛む、てなわけで、いがみ合いながらもなんとか助け合って、弱い個体同士を生かしあっている。これが、あんがい頼りない人類の現実ではないでしょうか。
で、とはいっても助け合うのは面倒だし大変だ、どうも殺したくなったり見捨てたくなったりしてしまう、頑張って助けても死んでしまう人もいる、というんで、じゃあひとつこれを人間全体を一つのシステムとして捉えて解決しよう。各人はそんなに頑張らなくても、みんなが好きに生きていても、みんなが困ったりした時にちゃんと助かるような集まりとして、「社会」を作ろうじゃないか。そういう風に考えた人々の間で19世紀ごろから取り組まれてきたのが「社会科学」という学問分野です。
本講義は社会科学の概論ということで、歴史的背景を踏まえながら社会科学の成立と展開を学び、現代の社会を考え、個別の学問分野へ進んでいくための基礎的な知識を身につけることを目指します。
第1回講義内容
イントロダクション 社会科学とは何ぞや
第2回講義内容
社会科学前史 1 古代における社会認識
第3回講義内容
社会科学前史 2 中世の宗教と社会
第4回講義内容
社会科学の源流 1 機械的人間観と社会
第5回講義内容
社会科学の源流 2 社会契約論の展開
第6回講義内容
社会科学の源流 3 個人と社会
第7回講義内容
社会科学の成立と展開 1 有機的な組織
第8回講義内容
社会科学の成立と展開 2 生物と社会の進化
第9回講義内容
社会科学の成立と展開 3 弁証法と歴史
第10回講義内容
20世紀の社会科学 1 より妥当な方法を求めて
第11回講義内容
20世紀の社会科学 2 現代の社会科学
第12回講義内容
まとめと授業内レポート
その他の学習内容
・課題・レポート
最終回に行う授業内レポートにより評価します。
プリントを適宜配布する
ヨーロッパ社会思想史 新版/山脇直司 東京大学出版会 2024
社会思想の歴史/坂本達哉 名古屋大学出版会 2014
*英語に抵抗のない方は、 Massachusetts Institute of Technology (MIT) OpenCourseWare 内の関連する講義録も便利です。
*ほかの参考文献(特に各時代の古典の訳書)については、授業内で適宜ご案内します。ご関心にあわせてご参照頂ければと思います。
*教科書ではありませんが、山脇『ヨーロッパ社会思想史』はよい本なので、購入をお勧めします。
*高校で「世界史」「倫理」を学ばれた方は、教科書を再読頂くと、授業内容のスムーズな理解につながります。
*受講にあたり、専門知識等の予備知識は必要としません。
*講義形式の授業ですが、授業内で受講者への問いかけなどを行なう場合があります。
*授業は日本語で行います。
*本授業については特に、通信教育課程においてスクーリングが教員との双方向のやり取りを担保する貴重な機会であることに鑑みて、授業前後等の質問や対話も歓迎します。