慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
自然科学概論
担当教員名
松浦 壮/フラキ, アントニノ/寺沢 和洋/田屋 英俊/横倉 諒/杉本 憲彦/三井 隆久
科目設置 総合教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 3分野科目/自然科学分野 単位 2
キャンパス 日吉 共通開講学部 -
設置年度 2025 授業コード 12548

授業科目の内容

自然現象や技術の自然科学的な理解について、物理学の様々な分野から学ぶことが目的です。各講師が自分の専門分野に関連するテーマについて、基礎的なところから解説するオムニバス形式で講義を行います。

第1回講義内容
地球の物理(1) 力学と熱の基本法則について解説し、その応用例として様々な地球上の現象を紹介します。

第2回講義内容
地球の物理(2) 地球の風や海流がなぜ作り出されるのか、地震や津波を引き起こす大陸の移動はどうして起こるのか、など、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

第3回講義内容
電磁波と光(1) 静電気力や磁力など電磁気現象は、化学結合を担う力の源であり、生命現象を含め世界の多様性を織りなしている。また、物質の性質であるばかりでなく、空間の性質でもあり、電磁気力は電磁波として空間を伝搬する。

第4回講義内容
電磁波と光(2) ここでは、電磁気力、波の性質、電磁波や光の性質、光の伝搬や色が生じる理由について説明する。

第5回講義内容
放射線物理学(1) 2011年3月11日の震災以降、「放射線」は専門家だけの関心事ではなくなりました。ここでは「放射線」にまつわる基本的な事項を説明します。

第6回講義内容
放射線物理学(2) さらに、被曝の測定・評価方法と具体的な事例、情報の取り方についても解説します。

第7回講義内容
The energy problem この講義では、自然におけるエネルギーの役割を記述するために必要な幾つかの基礎的な概念を紹介する。さらに世界や日本におけるエネルギー問題に対し、その概念を用い定量的に議論する。この回のみ、英語で行う予定です(スライドは日本語)。

第8回講義内容
量子力学 量子力学と聞くと非日常の代名詞であるかのような印象を受ける方が多いかもしれませんが、みなさんが思う以上に我々の日常に深く関わっています。本講義では我々の身の回りの現象を通じて基本的な考え方を紹介し、量子力学を身近に感じてもらうことを目指します。

第9回講義内容
素粒子・原子核物理学(1) この世界を構成するもっとも基本的な要素や法則は何なのでしょうか?こうした根源的な疑問に挑むのが素粒子・原子核物理学です。素粒子・原子核物理学は20世紀の加速器実験によって飛躍的に進展し、標準模型と呼ばれる描像が確立しました。第一回の講義では、この標準模型の基礎について説明します。

第10回講義内容
素粒子・原子核物理学(2) 第一回の講義の発展として、標準模型に基づき、私たちのマクロな世界がミクロな視点からどのように理解されているか、ということについて説明します。特に、質量の起源を中心に話しますが、関連する最近の素粒子・原子核物理学の話題にも触れます。

第11回講義内容
特殊相対性理論 動くと時間が遅れる、質量はエネルギーと等価であるなど、一見摩訶不思議な特殊相対性理論の予言は、「光速は誰から見ても変わらない」という単純な事実から導かれます。本講義では、相対性理論の基本的な考え方をひとつひとつ紐解いていきます。

第12回講義内容
一般相対性理論 一般相対性理論は現代の重力理論です。難しいと思われ勝ちなこの理論ですが、その基本的なアイディアはシンプルです。本講義では、一般相対性理論を支える考え方を基礎から順番にお話し、物質によって歪む時間や空間を眺めていきます。 ブラックホールやビッグバンなど、一般相対 性理論に関係の深い宇宙の話題にも触れる予定です。

その他の学習内容
  ・小テスト

成績評価方法

出席点および各回の最後に行う小テストの成績によって評価します。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

プリントを適宜配布する

参考文献

特に指定しませんが、必要に応じて示します。

受講上の要望、または受講上の前提条件

過去に物理を学んでいたかどうかは、履修の必要条件ではありません。新しい考え方を理解するのは困難なことです。すぐに全てがわからないかもしれませんが、積極的に取り組んでもらえれば、次第に基本的内容の理解が進み、物理的な考え方もできるようになると期待しています。