
| 科目名 | |||
|---|---|---|---|
| 芸術学 | |||
| 担当教員名 | |||
| 大木 麻利子 | |||
| 科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | 夜間スクーリング | 
| 科目種別・類 | 第1類 | 単位 | 2 | 
| キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | - | 
| 設置年度 | 2025 | 授業コード | 52508 | 
西洋絵画史において「花の絵」は静物画の中でも特殊な機能を担っています。成立期の諸相、伝統的な芸術論のトポスをおさえたうえで、19世紀フランス美術における「花の絵」の展開に注目します。西洋美術史、造形芸術学、美学などで卒業論文を書こうと考えている人、すでに執筆中の人を想定した授業ですが、美術鑑賞を深めたいという方にも役立つ内容です。西洋の造形芸術作品は専門用語を知ることで「見えてくる」ものだからです。作品鑑賞にとどまらず、作品を言葉で記述すること、西洋由来の概念に慣れること、また辞書・事典類を参照しながら専門的な事柄を理解する努力が求められます。したがって予習・復習に要する時間に個人差の出ることはいうまでもありません。授業の最後に小さな課題に取り組んでいただきます。授業の理解を各自が確認するだけではなく、解答の分析を行うことでアカデミックな文章表現の習得に役立てるためです。試験その他の詳細は授業初回で説明いたします。
第1回講義内容
 導入 
 前半:授業の進め方/文献・資料の調べ方/
   試験について
 後半:「花の絵」とは何か
   課題①(目的:作品記述1)
第2回講義内容
 「花の絵」の成立の諸相
 課題①のまとめ 課題②(目的:作品データ1)
第3回講義内容
 初期の「花の絵」の特徴(1)
 課題②のまとめ 課題③(目的:作品データ2)
第4回講義内容
 初期の「花の絵」の特徴(2)-実物の写生
 課題③のまとめ 課題④(目的:作品記述2)
第5回講義内容
 初期の「花の絵」の特徴(3)-様式
 課題④のまとめ 課題⑤(目的:作品記述3)
第6回講義内容
 「描かれた花」の意味(1)-中世後期
 課題⑤のまとめ 課題⑥(目的:作品記述4)
第7回講義内容
 画家伝説と古代の「花の画家」
 課題⑥のまとめ 課題⑦(目的:作品記述5)
第8回講義内容
 アカデミズムの成立初期と「花の絵」の位置
 課題⑦のまとめ 課題⑧(目的:作品記述6)
第9回講義内容
 「描かれた花」の意味(2)-静物と静物画
 課題⑧のまとめ 課題⑨(目的:作品記述7)
 試験について
第10回講義内容
 十八世紀以後の展開
 課題⑨のまとめ 課題⑩(試験準備)
第11回講義内容
 色彩研究としての「花の絵」(1)
 総復習 課題⑩のまとめ
第12回講義内容
 色彩研究としての「花の絵」(2)
 十九世紀の色彩理論とウジェーヌ・ドラクロワ礼賛
 
その他の学習内容
  ・課題・レポート
持ち帰り試験
プリントを適宜配布する
		
『花のギャラリ― ― 描かれた花の意味』(改訂新版)/小林頼子 八坂書房 2003
『鑑賞のための西洋美術史入門』/早坂優子 視覚デザイン研究所 2006
『基礎からわかる論文の書き方』/小熊英二 講談社現代新書 2022
		
一般教養科目であることよりも専門科目であることを重視いたします。