科目名 | |||
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ドイツ語学文学 | |||
担当教員名 | |||
佐藤 恵 | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | 夏期スクーリング |
科目種別・類 | 第3類 | 単位 | 2 |
キャンパス | 日吉 | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2025 | 授業コード | 52559 |
この講義では、ルターによる聖書翻訳、ドイツ文章語(標準語)の成立など、歴史的な観点から過去のドイツ語を概観します。講義の内容や順番は、受講生の関心に応じて変更する可能性があります。パワーポイントを使用した教員による説明の合間に、受講生のみなさんには授業内で各テーマに関する日本語資料を読んで、グループで話し合いをしていただきます。みなさんの主体的・積極的な参加を望みます。
第1回講義内容
地域方言と社会方言
オンライン日常語分布図の例を見ながら、ドイツ語においても方言差が大きいことを観察します。さらに方言には、地域方言のほかに社会方言(社会階層によって異なることば遣い)があることを紹介します。
第2回講義内容
ルターの聖書翻訳
ルターによる聖書翻訳、ルターがドイツ語の標準化にどのような役割を果たしたのかについて紹介します。
第3回講義内容
ドイツ文章語(標準語)の成立、グリムのドイツ語観
18世紀のゴットシェート、アーデルングがドイツ語標準化に果たした役割、ヤーコプ・グリムのドイツ語観を紹介します。
第4回講義内容
ドイツ語の2人称代名詞(18世紀)
欧米語において2人称代名詞にはたいてい親称と一般称の区別があること、18世紀には5種類の区別があったことを紹介します。
第5回講義内容
オーストリアのドイツ語-18世紀モーツァルト家のドイツ語
標準ドイツ語の規範が確立しつつあった18世紀後半のオーストリアに生きたモーツァルト家の人々が、方言と標準語の狭間で、どのようなことば遣いをしていたかを紹介します。
第6回講義内容
ベートーヴェンの筆談帳(1)-筆談帳に書かれた文法形式から見える人間関係
ベートーヴェンが使用していた筆談帳を言語資料として、19世紀初頭における言語使用の状況を概観します。
第7回講義内容
ベートーヴェンの筆談帳(2)マリア・テレジアの言語改革と甥カールの言語使用
ベートーヴェンの甥カールに焦点を当て、カールが通った学校のカリキュラムや国語教科書の分析を通じ、当時の学校教育の中で媒介された言語規範が実際の言語使用にどのように影響していたのかを考察します。
第8回講義内容
ベートーヴェンの筆談帳(3)筆談帳に綴られた文字
ベートーヴェンの筆談帳・書簡に書かれた文字に焦点を当て、独特で解読が難しい文字の書き手として知られるベートーヴェンがどのようにして独自の字体を作り上げるに至ったか、そのプロセスを追います。
第9回講義内容
スイスのドイツ語(『ハイジ』のドイツ語)
ヨハンナ・シュピーリ原作の『ハイジ』を例に、スイスのドイツ語を紹介します。
第10回講義内容
DUDENの辞書と正書法改革
ドイツ語の正書法制定において大きな役割を果たしたコンラート・ドゥーデン (Konrad Duden)について紹介します。
第11回講義内容
ドイツ語における談話標識
ドイツ語の談話標識Weißt du was? / Wissen Sie was?[英: You know what?]の歴史、また現代の映画のなかでどのように使用されているか概観します。
第12回講義内容
まとめ
リアクションペーパーで寄せられた質問、コメントを紹介しながら、全11回の講義を振り返ります。
その他の学習内容
・課題・レポート
毎回授業後に提出するリアクションペーパー(全12回)による平常点評価。
プリントを適宜配布する
プリントを適宜配布する
ドイツ語の初級文法を扱いますが、ドイツ語の知識がない方の参加も歓迎します。