科目名 | |||
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実験経済学 | |||
担当教員名 | |||
亀井 憲樹 | |||
科目設置 | 経済学部専門教育科目 | 授業形態 | 夏期スクーリング |
科目種別・類 | 単位 | 2 | |
キャンパス | 日吉 | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2025 | 授業コード | 62516 |
過去50年以上に及ぶ膨大な研究蓄積により、経済学には実験経済学という分野がある。経済実験の手法は、経済学の概念や仮説の検証にとって極めて有益なツールであり、その手法と実験事実は十分蓄積され、経済学の各領域に浸透している。
経済実験の主要な目的は、(a)各経済学領域における理論の検証、(b)制御された環境下での人々の行動原理のデータの蓄積、(c)現実のデータ取得が困難な題目での政策や制度の評価である。本授業では、実験室内実験にフォーカスを当てて経済実験の手法を学ぶとともに、実験が適用された事例を学ぶことで、人々の行動特性を考察する。具体的に学ぶ事例は、(i)市場メカニズムや金融市場の理論の検証、(ii)社会的ジレンマやフリーライドなどの行動特性を解明する経済実験、(iii)交渉問題への適用、(iv)協調問題のモデリングと実験手法の適用、(v)労働経済学への適用などである。本科目を通じて、実験経済学の手法を学ぶとともに、様々な行動経済学的事実(伝統的な経済理論予測から乖離する行動特性)を学ぶことができる。
なお、講義内容(第1回から第12回で書いた内容)は暫定であり、履修者のバックグランドを踏まえ授業のペースを調整するため、適宜変更する。
第1回講義内容
序章―実験経済学の手法
第2回講義内容
序章―実験経済学の手法
第3回講義内容
市場メカニズムに関する実験
第4回講義内容
支配可解ゲームと実験
第5回講義内容
ナッシュ均衡とジレンマ1―概念、実験室内実験及びフィールドでの事実
第6回講義内容
ナッシュ均衡とジレンマ2―概念、実験室内実験及びフィールドでの事実
第7回講義内容
公共財供給問題の検証への実験手法の適用
第8回講義内容
協調問題への実験手法の適用
第9回講義内容
動学的意思決定問題(例:交渉、信頼)への実験手法の適用1
第10回講義内容
動学的意思決定問題(例:交渉、信頼)への実験手法の適用2
第11回講義内容
労働経済学への実験手法の適用(例:互恵性を前提とした雇用契約の効果の検証)
第12回講義内容
総括
その他の学習内容
・課題・レポート
・授業中にクラス内実験を数回行い、戦略的状況での意思決定をする。
試験を基に評価する。試験では、指定の教科書(紙の書籍版)の持ち込みを可とする(※)
※ なお、Kindle版(電子書籍)の持ち込みは不可。
はじめての実験経済学: やさしくわかる意思決定の特徴/亀井憲樹 オーム社 2024
プリントを適宜配布する
双方向の講義のため、時々電子メール・Google formを使ったクラス内実験を考えており 、スマートフォンなどインターネットにつなげられる機器の持参をお願いします。