慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
社会科・公民科教育法特論Ⅲ
担当教員名
髙橋 朝子
科目設置 教職科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 単位 2
キャンパス 三田 共通開講学部 -
設置年度 2025 授業コード 82505

授業科目の内容

何を、どのようなものを使って、どのように、教え、そしてどう評価するか。授業とはこのように内容、方法、教材、評価から構成されるが、少なくとも社会科・公民科の授業を創ることにおいては、指導内容(コンテンツ)が一番重要であると考える。この立場に立脚して、本授業は、社会科・公民科の各教育・学習(例:主権者教育、経済教育、国際理解教育等)での指導内容の本質的なポイントや、指導内容を下支えする目標(ねらい)を明らかにしたい。
 平成30年告示の学習指導要領は、それまでのものと何がどう変わったのかに注目し、社会科・公民科で身に付けさせたい力を考えていく。具体的に有効な種々の教材やアクティビティを取り上げ、それが指導内容やねらいとどのように連接するかも考察する。
 さらに、指導と評価の一体化にもとづく学習指導案が作成できるように、そのノウハウや留意点についての理解を図る。
 公立高校の教員として、公民科の科目を長年にわたり教えてきた実務経験を踏まえて、社会科・公民科教育法特論Ⅲを担当する。

第1回講義内容
社会科・公民科教育の目標と評価 ~ 社会の変化のなかで

第2回講義内容
高校新科目「公共」 ~ 目標と構成、アクティブラーニング、探究活動

第3回講義内容
政治教育・主権者教育の意義と課題 ~ 政治的関心を高める

第4回講義内容
法教育・人権教育の意義と課題 ~ 女性の権利、裁判員裁判

第5回講義内容
模擬授業と研究協議

第6回講義内容
経済教育における課題 ~ 市場・金融  

第7回講義内容
財政と社会保障教育における課題 ~ 人口減少社会 

第8回講義内容
キャリア教育における課題 ~ 職業選択・雇用と労働

第9回講義内容
模擬授業と研究協議

第10回講義内容
国際理解教育における課題 ~ 国際政治・国際経済

第11回講義内容
平和教育・防災教育の意義と課題 ~ 学校行事や他科目との関連

第12回講義内容
振り返りとレポート

その他の学習内容
  ・課題・レポート
  ・模擬授業を実施してもらいます(社会科・公民科の領域であれば、どの単元・学習事項でも構いません)。

成績評価方法

授業への主体的な関わり状況を重視します(平常点)。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

『高等学校学習指導要領解説 公民編』/文部科学省 東京書籍 2019
『中学校学習指導要領解説 社会編』/文部科学省 東洋館出版 2018
公共 / 東京書籍 2025

参考文献

東京都高等学校公民科「倫理」「現代社会」研究会編著『「公共の扉」をひらく授業事例集』清水書院 2018年
宇野重規『民主主義とは何か』講談社現代新書 2020年
出口治明『自分の頭で考える日本の論点』 幻冬舎新書 2020年

受講上の要望、または受講上の前提条件

コミュニケーションを大切にして授業を進めていきます。
模擬授業では、パワーポイントなどを使用することが望ましいため、可能であればPC等を用意してください(スマホでも作成は可能です)。

教科書に挙げた「学習指導要領解説」はネットでも見ることはできます。

講師の実務経験※実務家としての経験があり、その知見が授業に反映されている場合に、「あり」と表示されます

あり