科目名 | |||
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倫理学特殊 | |||
担当教員名 | |||
石田 京子 | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | 夏期スクーリング |
科目種別・類 | 第1類 | 単位 | 2 |
キャンパス | 日吉 | 共通開講学部 | 法学部「倫理学特殊」として開講 |
設置年度 | 2025 | 授業コード | 52502 |
この授業では、イマヌエル・カントの平和思想を理解することを目的に、『永遠平和のために』(1795年)および『人倫の形而上学』(1797年)の読解を行います。この書籍のタイトルに入っている「永遠平和」という言葉からは、ひたすら平和を祈念する理想主義的な態度が思い浮かぶかもしれませんが、なぜ戦争が生じるのか、平和のために戦争を行うことは許されるのかなど、戦争と向き合うことなく平和を論じることはできません。これらのテキストを通じて、カントが提示した永遠平和の理念や、それを実現するための法と政治がどのようなものであるべきかを探究します。特に、『永遠平和のために』における国家連盟を通じた平和の実現可能性の議論と、『人倫の形而上学』「法論」において示される戦争観の相違や連続性に注目して、平和と戦争の問題を考えます。授業は基本的に講義形式で進めますが、履修者自身の理解を深めるために、テキスト読解の進行に応じたディスカッションの時間を設けることがあります。テキストを解釈する際に他の人たちがもつ多様な視点を互いに共有し、理解の促進を図ります。また、授業の最後に適宜小レポートを課し、読解や議論を通じてどのような知見が得られたのかを振り返る機会を設けることがあります。
第1回講義内容
カントのテクストを読むための導入
第2回講義内容
カントのテクストを読むための導入
第3回講義内容
『人倫の形而上学』「国際法論」
第4回講義内容
『人倫の形而上学』「国際法論」
第5回講義内容
『永遠平和のために』「留保条項」「予備条項」
第6回講義内容
『永遠平和のために』「予備条項」
第7回講義内容
『永遠平和のために』「確定条項」
第8回講義内容
『永遠平和のために』「確定条項」
第9回講義内容
『永遠平和のために』「確定条項」
第10回講義内容
『永遠平和のために』「補説」
第11回講義内容
『永遠平和のために』「付録」
第12回講義内容
総括・試験
その他の学習内容
・課題・レポート
出席と授業へのコミットメント、最終日に実施する試験によって総合的に判断します。
人倫の形而上学 第一部 法論の形而上学的原理/イマヌエル・カント 岩波書店 2024
永遠平和のために/イマヌエル・カント 岩波書店 1985
プリントを適宜配布する
・授業規模によりますが、受講生同士でディスカッションを行うことを予定しております。
・スクーリングが始まる前に『永遠平和のために』を一読してください。
・予習として、各日の学習するテキストの該当箇所を事前に読んでおくこと、復習として、その日に学んだことやポイントをノートやテキストをもとに整理しておくこと、それぞれ90分程度かかることが想定されます。