
| 科目名 | |||
|---|---|---|---|
| 歴史(西洋史) | |||
| 担当教員名 | |||
| 舟橋 倫子 | |||
| 科目設置 | 総合教育科目 | 授業形態 | 夏期スクーリング |
| 科目種別・類 | 3分野科目/人文科学分野 | 単位 | 2 |
| キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
| 設置年度 | 2026 | 授業コード | 12612 |
この授業は、現代社会の諸問題と向き合うための力を、ヨーロッパの歴史(古代~近世)を学ぶことで鍛えることを目標としています。歴史を学ぶことは単に過去の出来事を覚えることではありません。それは、現代の私たちの生きているリアルな世界を考える作業なのです。ガザ、ウクライナ等の戦争は、社会に内包されてきた諸問題の相互関連が急速な悪循環によって沸点に達し、一気に目に見える形で爆発したといえるでしょう。
歴史をひも解いてみると、人々は様々な危機と共存してきたことがわかります。多様な人々が行き交う古代地中海世界は、豊かな文化交流と経済発展と同時に不断の衝突と分断の舞台でした。古代末期から近世までヨーロッパを何度も襲ったペストの大流行は、人々の価値観と社会・経済構造に根本的な変革を引き起こし、近現代の社会の仕組みを創り出しました。食料・エネルギー問題は、古代から現代までヨーロッパの中心的な関心事であり、食料生産と再分配のシステムの開発に不断の努力と工夫が重ねられてきました。恒常的な飢餓と様々に形を変える危機的状況に適応することが生きることだったのです。
グローバリゼーションの進む現代社会においては全世界を視野に入れた検討を行うのが理想的ですが、本講義では問題を深く掘り下げてゆくために、共通の土台をもつヨーロッパという地域に的を絞って検証をすすめてゆきます。ヨーロッパという舞台では、異なる諸要素の相互作用と緊張関係が活力がもたらし、対立や矛盾から新たなモデルが生み出されてゆきます。ヨーロッパ社会は気候変動・飢饉・疫病・戦争によって何度も物理的・精神的な「危機的状況」に陥ってきました。それらの危機を「変動」・「転換」と捉え、社会のダイナミズムを分析する契機として考察してゆきます。
第1回講義内容
地中海世界:ローマの世界 文化的重層性と寛容
第2回講義内容
ローマ帝国とキリスト教:内的分裂と統合への新たな試み
第3回講義内容
ローマ人とゲルマン人:移民(受け入れか排除か)・他者との共存
第4回講義内容
中世社会の形成:中世初期・フランク王国の形成:キリスト教と国家
第5回講義内容
中世盛期・農村の世界:共同体形成と封建社会
第6回講義内容
中世盛期・都市の世界:新たな社会秩序と流通経済の発展
第7回講義内容
レコンキスタと十字軍:ヨーロッパと外部世界:対立と受容
第8回講義内容
中世末期の危機:飢饉と疫病
経済発展のダイナミズム:格差と闘争
第9回講義内容
主権国家体制:「国」とは?
第10回講義内容
植民地:ヨーロッパの拡大と矛盾
第11回講義内容
ヨーロッパの多様性と統合の可能性
第12回講義内容
総括
その他の学習内容
・毎回の授業の感想や質問をリアクションペーパーとして提出してください。これが平常点となります。成績の3割とします。
最終授業において、授業内試験を行います。持ち込み可で記述式の試験です。これが7割の成績評価となりますので、最終試験を受けない場合は単位がでません。
プリントを適宜配布する
大学で学ぶ西洋史「古代・中世」/服部良久、南川高志、山辺規子編著 ミネルヴァ書房 2006
大学で学ぶ西洋史「近現代」/小山哲、上垣豊、山田史郎、杉本淑彦編著 ミネルヴァ書房 2011
西洋史概説Ⅰ/神崎忠昭 通信テキスト 2015
食の歴史/J-L.フランドラン、M.モンタナーリ編、宮原信・北代美和子監訳 藤原書店 2006
高等学校で履修する程度の世界史の知識(ヨーロッパの古代から近代まで)があることを前提として講義を進めます。不安がある場合は、高校世界史の教科書レベルの参考書を利用して自身の基礎を固めておいてください。『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』山崎圭一、といった一般書でかまいません。