慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
文学C<リアルタイム>
担当教員名
佐藤 光重/細野 香里/田ノ口 正悟
科目設置 総合教育科目 授業形態 夜間スクーリング
科目種別・類 3分野科目/人文科学分野 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2026 授業コード 12619

授業科目の内容

この科目は「リアルタイムオンライン配信型面接授業(スクーリング)」として開講します。受講に際しては、Zoom、K-LMS、Googleドライブ等のオンラインサービスの利用が必須ですので、基本的な操作・利用方法を各自で確認したうえで履修申告を行ってください。

アメリカ文学の代表的な作品を題材とし、講義を通じてテクストに即した実証的な読解と、作品への多角的なアプローチの実践に触れてもらいたい。三人の講師がそれぞれ、19世紀に古典的な名作を残した三人の作家、すなわちハーマン・メルヴィル、マーク・トウェイン、エミリー・ディキンソンを取り上げる。最初の四回ではメルヴィルの『白鯨』、短編「ベニト・セレノ」、「バートルビー」を取り上げ、奴隷制と資本主義の問題を中心とした19世紀の社会改良運動と文学の話をした上で、『白鯨』を通じて多義的象徴を含むロマン主義文学の実践について講義する。つづいて五回目からはトウェインの『ハックリベリー・フィンの冒険』と『間抜けのウィルソン』を扱い、人種(race)や奴隷という観点からの読解についての講義をする。九回目からはエミリー・ディキンソンの詩作品や書簡の抜粋をもちいて、詩の言語の特性、とりわけディキンソンの詩の技法を解説し、ディキンソンの交友関係を物語る手紙が詩と同様に文学作品として捉えられていること、および彼女の家庭環境、同時代の社会背景から読解の鍵を見出して、一枚岩的ではない詩の複層性や開かれた解釈多様性についての考察を促す講義を行う。

第1回講義内容
ハーマン・メルヴィル『白鯨』(1)

第2回講義内容
ハーマン・メルヴィル『白鯨』(2)

第3回講義内容
ハーマン・メルヴィル「ベニト・セレノ」

第4回講義内容
ハーマン・メルヴィル「ビリー・バッド」

第5回講義内容
マーク・トウェイン『ハックルベリーフィンの冒険』(1)

第6回講義内容
マーク・トウェイン『ハックルベリーフィンの冒険』(2)

第7回講義内容
マーク・トウェイン『間抜けのウィルソン』(1)

第8回講義内容
マーク・トウェイン『間抜けのウィルソン』(2)

第9回講義内容
エミリー・ディキンソンとアメリカ詩の伝統

第10回講義内容
ディキンソン家、ピューリタニズム、南北戦争

第11回講義内容
詩の解釈多様性について

第12回講義内容
試験・総括

その他の学習内容
  ・課題・レポート

成績評価方法

期末試験の成果による。記述形式の試験で、100点満点のうち50点以上を合格とする。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

プリントを適宜配布する

参考文献

Moby-Dick: or, the Whale/Herman Melville, edited by Hershel Parker W. W. Norton, 2017
Melville's Short Novels/Herman Melville, Edited by Don McCall W. W. Norton 2001
『白鯨』/ハーマン・メルヴィル, 八木敏雄訳 岩波文庫 2004
『書記バートルビー/漂流船』/ハーマン・メルヴィル,牧野有通訳 光文社 2015
Adventures of Huckleberry Finn/Mark Twain Penguin Books 2014
Pudd'nhead Wilson and Those Extraordinary Twins/Mark Twain Penguin Books 1969
『ハックルベリー・フィンの冒けん』/マーク・トウェイン著、柴田元幸訳 研究社 2017
『マーク・トウェイン ポケットマスターピース』/柴田元幸編 集英社文庫 2016
『対訳 ディキンソン詩集』/エミリー・ディキンソン、亀井俊介編 岩波文庫 1998
The Cambridge Introduction to Emily Dickinson/Wendy Martin Cambridge UP 2007

受講上の要望、または受講上の前提条件

いずれの講義でも理解の助けとして参考文献に邦訳を挙げてあるのでまずは作品全体を知るために邦訳で作品を読み通しておいてもらいたい。ただし、あくまで作品理解は原書に基づいて行わなければならないので、参考文献には原書、あるいは原典が英語で記されている書籍を挙げてある。プリントでも英語が多く使われる。見出し語の多い辞書(たとえば『リーダーズ英和辞典』)を使って、授業に出てきた部分は英語でしっかり読めるよう復習を行っていくこと。