
| 科目名 | |||
|---|---|---|---|
| 近代思想史 | |||
| 担当教員名 | |||
| 篠原 洋治 | |||
| 科目設置 | 総合教育科目 | 授業形態 | 夜間スクーリング |
| 科目種別・類 | 3分野科目/人文科学分野 | 単位 | 2 |
| キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
| 設置年度 | 2026 | 授業コード | 12616 |
近代社会を、国家によって管理された市場にもとづく社会と捉えることには異論はないだろう。そして多くの留保を必要とするものの、少なくとも西洋先進諸国では、市民的自由と平等が実現されてきた。他方で近代は、「労働」と「生命」を管理する権力のテクノロジーが、社会の隅々まで浸透してきた時代であり(フーコー)、また諸個人の「欲望」は、科学的言説やネットのマーケティングによってコントロールされるようになった時代である(ドゥルーズ、ガタリ)。この意味で、18世紀以降、人類の知識の発展とともに個人の自由・自立の実現をめざした啓蒙のユートピアは、逆説的にも、個人の自由を厳しく統制するデストピアに陥っているのではないだろうか。本講義では権力の視座から、「労動」と「欲望」を取り囲んできた言説の編成を再検討し、近代という時代の特殊性を浮き彫りにすると同時に、その問題性を考察したい。
第1回講義内容
「仕事」による「行為」の代替と全体主義(アーレント)
第2回講義内容
古代ギリシアにおける「労動」の位置づけ(アーレント)
第3回講義内容
トマス・モアの『ユートピア』における労働
第4回講義内容
宗教改革における労働観の大転換(ヴェーバー)
第5回講義内容
経済学の誕生と労働概念の確立(ロック、スミス)
第6回講義内容
啓蒙と労働の新しい意味付け(ヘーゲル)
第7回講義内容
労働と規律訓練権力(フーコー)
第8回講義内容
福祉国家の生誕と生命権力(フーコー)
第9回講義内容
奢侈批判のユートピア(フェヌロン、ルソー)
第10回講義内容
奢侈肯定と経済的自由主義の完成(マンデヴィル、ヒューム、スミス)
第11回講義内容
フーリエのユートピア‐新しい労働・家族・恋愛観の創設
第12回講義内容
資本主義社会における欲望の生産と権力/抵抗(ドゥルーズ、ガタリ)
総括
その他の学習内容
・課題・レポート
・参考文献や授業で紹介した本を読むなど、各自、関心に基づいて勉強して下さい。
授業参加の積極性、最終レポートにより総合的に評価します。
プリントを適宜配布する
全講義のレジュメ・資料を最初の授業で配布します。補足資料があれば、適宜授業時に配布します。
人間の条件/ハンナ・アレント ちくま学芸文庫 1994
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神/マックス・ヴェーバー 岩波書店 1988
ユートピア/トマス・モア 中公文庫 1999
授業で質問をするなど、積極的に参加してください。