
| 科目名 | |||
|---|---|---|---|
| 音楽史 | |||
| 担当教員名 | |||
| 長屋 晃一 | |||
| 科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | 夜間スクーリング |
| 科目種別・類 | 第1類 | 単位 | 2 |
| キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
| 設置年度 | 2026 | 授業コード | 52612 |
【授業の概要と目的】
本講義は、ルネサンス以降の音楽の歴史をふまえつつ、文化と科学の間に存在する思いがけない関連性とその歴史に焦点を当てていく。
現代の文化は、高度なテクノロジーに支えられているが、それは20世紀に始まったものではない。
大掛かりな舞台装置や照明による“効果”の追究、総合的な技術を結集させた“オルガン”、人間に対置するものとしての“自動演奏”等は、現代文明の先駆けをなしている。その試行錯誤を知ることは、今のテクノロジーの目的を考えるうえで、また文化を営む人間のありかたを考えるうえでも有用である。
【授業の進め方】
毎回、あらかじめテキスト(長屋晃一『機械仕掛けの音楽誌』)の指定箇所を読み、授業に臨んでもらいたい。
授業後は、毎回の出席を確認し、平常点をつけるために授業内容の要約を提出してもらいます。
要約に関しては初回授業時にお話しします。
また、毎回の要約とは別に、最終レポートを作成してもらい、その総合点で判定します。
第1回講義内容
イントロダクション:音楽史のなかの科学
【概要】音楽と数学また医学との関係について、古典古代以来の歴史と具体的な作例を取り上げる。
第2回講義内容
祝祭と庭園
【概要】16世紀末、フィレンツェで行われたメディチ家の祝祭と、庭園に施された自動演奏装置から、文化の政治力を探る。
【テキスト】第1,2章
第3回講義内容
ヴェネツィアの劇場
【概要】初期のオペラの歴史をたどりつつ、ヴェネツィアで公設劇場が生まれる背景とその作品を取り上げる。
【テキスト】第4章
第4回講義内容
オルガンという「世界」
【概要】ヨーロッパ各地で独自の発展を遂げてきたオルガンを紹介しつつ、とくに北ドイツのオルガンとオルガニストとの関係を問う。
【テキスト】第7章
第5回講義内容
人間機械論と音楽
【概要】18世紀、フランスで広く議論された「人間機械論」と芸術の関係を、フルートを吹く自動人形から考察する。
【テキスト】第10,12章
第6回講義内容
即興の記譜
【概要】18世紀に制作された即興演奏を記譜する機械から、楽譜と即興演奏をめぐる歴史を問う。
【テキスト】第8章
第7回講義内容
科学の楽器アルモニカ
【概要】18世紀後半、ガラスの振動によって音を発生させるアルモニカが発明された流行した。この新奇な楽器と作曲家たちの関係を追う。
【テキスト】第14,15,16章
第8回講義内容
機械仕掛けのオーケストラ
【概要】メルツェルが発明したパンハルモニコンとベートーヴェンの関係を中心に、自動演奏楽器と作曲家の関係を読み解く。
【テキスト】第13,17章
第9回講義内容
ファンタスマゴリーの世紀
【概要】19世紀を通じてヨーロッパで流行したファンタスマゴリーと舞台装置による「超自然」の表象をたどる。
【テキスト】第18,19章
第10回講義内容
バレエと人形
【概要】バレエ・ロマンティクにおける妖精たちの“軽さ”や“人形”のような振る舞いと、視覚芸術からの影響を読み解く。
【テキスト】第19,20章
第11回講義内容
自動ピアノのための練習曲
【概要】19世紀末に生れた蓄音機とそれに代わる「ピアノラ」の演奏、そして「機械」であることに価値を見いだした作曲家の作品から世紀転換期を読む。
【テキスト】第23章
第12回講義内容
メディアとしてのオルゴール
【概要】オルゴールが発明されてから、19世紀を通じて、音楽は「持ち運べる」ものとなり、オペラなどの名曲を伝える“装置”となった。そのメディアとしてのオルゴールの力と、オルゴールを愛した作曲家の姿を通して、授業を締めくくる。
【テキスト】第24章
その他の学習内容
・課題・レポート
・毎回の要約の提出をもって平常点として換算(50%)
・授業内容に基づく最終レポート(50%)
機械仕掛けの音楽誌/長屋晃一 アルテス・パブリッシング 2025年
楽譜や語学の前提となる知識は特にありません。
受講者のみなさんが、授業を受けながらそれぞれに現代文化との結びつきを見つけていけるような、積極性を期待します。