
| 科目名 | |||
|---|---|---|---|
| ドイツ文学研究 | |||
| 担当教員名 | |||
| 西尾 宇広 | |||
| 科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | 夏期スクーリング |
| 科目種別・類 | 第3類 | 単位 | 2 |
| キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
| 設置年度 | 2026 | 授業コード | 52658 |
*注意:この授業はいわゆる「文学史」の授業ではありません。ドイツ文学の歴史を体系的に学ぶのではなく、過去に書かれた文学作品をさまざまな歴史的文脈(コンテクスト)に置いたときに、作品の読み方がどのように変わるのか、ひいては文学から歴史についてのどのような知見を引き出すことができるのか、を実践的に学ぶ授業です。
この授業では、おもに18・19世紀にドイツ語で書かれた文学を題材として、ドイツ語圏の「文化」の諸相を歴史的観点から考察します。別の言い方をすれば、それは近代ドイツ文学を「文化史」的に読み解く試みです。ただし、ここでは「文化」を「知的・芸術的活動の優れた所産」という(たとえば「文化財」という言葉から連想されるような)意味に限定するのではなく、「特定の集団のなかで共有されている生活様式」という広い意味でとらえます。
このような視点で考えると、たとえば「法律」や「電気」といった主題も「文化史」的なテーマとなりうることがわかります。それは、法学・法制史や物理学・科学史といった、狭義の専門領域のなかだけで完結する問題ではありません。ある法律が存在している社会、電気という生活手段が活用できる社会には、そうではない社会とはまったく異なる特有の「生活様式=文化」が成立している可能性があるからです。このような関心にもとづいて領域横断的な枠組みで展開される研究のことを、現代のドイツ語圏では一般に「文化学(Kulturwissenschaft)」という名で総称しています。
この授業の目的は、過去の文学作品のなかに残されているそうしたさまざまな「文化」の痕跡を探し出し、歴史と文学のあいだをつなぐ複数の回路を開通させることにあります。同じ一つのテクストであっても、それを読むためのコンテクストが変わればまったく違った意味が立ち現れてくる、ということを体感してください。文化史という視点に立って、数回ごとに文脈(テーマ)を変えながら、現代の文学研究においても大きな潮流をなしている「文化学」の一端に触れていきましょう。
第1回講義内容
イントロダクション
第2回講義内容
群集と文学:〈群集〉の書き方
第3回講義内容
法と文学(1):自然法と歴史法学
第4回講義内容
法と文学(2):法解釈の多義性
第5回講義内容
時間と文学(1):さまざまな歴史観
第6回講義内容
時間と文学(2):迅速化の時代と暦の詩学
第7回講義内容
ジェンダーと文学(1):18世紀における「愛」と「家族」
第8回講義内容
ジェンダーと文学(2):女性作家の系譜
第9回講義内容
破局と文学(1):震災
第10回講義内容
破局と文学(2):疫病
第11回講義内容
交通と文学:鉄道の時代としての19世紀
第12回講義内容
試験・総括
その他の学習内容
・課題・レポート
平常点と試験により評価します。
プリントを適宜配布する
プリントを適宜配布する
特別な前提知識は必要ありません(ドイツ語の学習歴がなくても受講可能です)。「ドイツ」に関心のある人や「文学」に関心のある人はもちろん、かりにそのいずれにも関心がなかったとしても、文化的な現象から政治的・社会的な問題を考えることに関心のある人の受講を歓迎します。