慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
ドイツ語(中級)III-A
担当教員名
津崎 正行
科目設置 総合教育科目 授業形態 夜間スクーリング
科目種別・類 外国語科目/ドイツ語 単位 1
キャンパス 三田 共通開講学部 -
設置年度 2020 授業コード 22041
開講期間 10月1日(木)~12月24日(木) 曜日・時間等 木曜日、18:20~20:05

授業科目の内容

この授業では、初級で学んだ基本的な文法事項をふまえたうえで、さらにドイツ語で書かれた文章を正確に読むために必要とされることを、確実に身につけてゆきます。ドイツ語の文章を読むときに、分からない単語があれば辞書で調べて、ひとつひとつ日本語におきかえた後、個々の訳語を「想像」でつなぎ合わせているだけの人(さらにいうならば、つじつまを合わせるために、原文にない単語を付け加えたり、都合の悪い単語を無視したりして、完全に「作文」をしてしまっている人)がすくなからずいますが、それではいつまでたっても、文章を正しく読むことができるようにはなりません。
授業中に取り上げる文章はすべて、教科書のために書かれたものではなく、実際の文学作品などからの抜粋です。なかには初級の文法で学んだ原則から外れた表現などもありますので、最初のうちは難しいと感じられるかもしれませんが、適当に「これでいいや」ですませてしまったり、すぐに他人から「正しい答え」を教えてもらおうとしたりするのではなく、自分自身で問題を解決できるようになることを目標としていただき、そのためのお手伝いをしたいと考えています。

第1回講義内容
はじめに:ドイツ人の思想 第1課:モーツァルトとリルケの手紙

第2回講義内容
第2課:グリム兄弟『蛙の王様』

第3回講義内容
第3課:ヨハンナ・シュピリ『アルプスの少女ハイジ』

第4回講義内容
第4課:ライナー・マリア・リルケ『秋の日』

第5回講義内容
第5課:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ『若きウェルテルの悩み』

第6回講義内容
第6課:ことわざと名言とアフォリズム 第7課:オトフリート・プロイスラー『クラバート』

第7回講義内容
第8課:フランツ・カフカ『変身』

第8回講義内容
第9課:パウル・ツェラン『死のフーガ』

第9回講義内容
第10課『リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー『1985年5月8日の演説』

第10回講義内容
第11課:ベルンハルト・シュリンク『朗読者』

第11回講義内容
第12課:トーマス・マン『ヴェニスに死す』

第12回講義内容
おわりに:ことわざ 試験と総括

その他の学習内容
  ・課題・レポート
  ・小テスト

成績評価方法

最終回に実施する試験(50%)と平常点(50%)により、総合的に評価します。なお、平常点とは、いわゆる「出席点」を意味するものではなく、毎回の授業での発言などに対して与えられた点数を合計したものをいいます。したがって、十分に予習をしたうえで出席することが、単位を取得するための、もっとも確実な手段となります。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

ドイツ語を読む 改訂版/Susanne Schermann、相原剣 朝日出版社 2019

参考文献

プリントを適宜配布する

受講上の要望、または受講上の前提条件

中級の授業ですから、基本的には、初級文法はひととおり習得していることを前提として、上記の進度で一冊の教科書をすべて終える予定ですが、履修者のこれまでの学習状況から必要と判断される場合には、授業中にある程度の時間をさいて、初級文法の復習をすることもありますので、あらかじめご了承ください。その場合には、授業の内容と進度を部分的に変更することになってしまいますが、だからといって(中級として)学ぶべき事柄が減るわけでも、授業時間が増えるわけでもありませんので、課題を出すなどの方法で不足を補いたいと思います。