科目名 | |||
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芸術(美術) | |||
担当教員名 | |||
國本 学史 | |||
科目設置 | 総合教育科目 | 授業形態 | 夏期スクーリング |
科目種別・類 | 3分野科目/人文科学分野 | 単位 | 2 |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2020 | 授業コード | 12007 |
開講期間 | II期 8/18~8/23 | 曜日・時間等 | 3~4限 14:15~18:00 |
◆講義概要
本講義は、通史的に日本美術史を概観する。特に古代から近世に至る時代における日本美術を中心に歴史を辿る。この時代、日本は諸外国の影響を受けつつも、独自の文化・芸術を発展させて行った。歴史的な流れとともに様々な芸術作品を見ることで、日本独特の美意識や文化の深層を探る端緒としたい。
◆講義方法
講義では画像を多く用いて、視覚的に分かりやすく解説する。対象は、絵画・彫刻・工芸・建築等、幅広い領域にわたり、多くの作品を歴史の流れに沿って考察する。
◆到達目標・目的
美術における表現・デザインを学ぶことで芸術が生成された背景を探り、履修者が知識・教養を会得して、即物的利益性や金銭を基準とした価値観とは異なる、「歴史・文化・芸術」的な価値とは何であるのか、という個々の見識を得られるような内容としたい。
◇各講義回の内容は、下記に記した通りである。12回の講義を通じて、日本の原初より近代頃までの、芸術・文化の展開を見て行く。その過程において、例えば諸外国からもたらされた要素や、独自に発展した要素、融合的に変化して行く要素、といった諸要素を文化史的に俯瞰し、芸術的な表現や造形が、どのような背景のもとで形成されるのか、歴史的な変化とともに芸術・文化の変容を見いだせるような内容を提示する予定である。
○企画・展示の実務経験に基づき、歴史資料の活用に供する分析的アプローチについての視点を盛り込む。
★本年度は、Covid-19の影響により、オンラインでの配信となる。現状では、オンデマンド方式での配信(パワーポイントに音声で解説を加える)を準備している。大学のシステム上の掲示板などを適宜活用して、質疑等の双方向性の学習機会を確保したい。必要に応じて、リアルタイム配信による補足等も行う可能性がある。
第1回講義内容
はじめに、日本美術のあけぼの
本講における講義概要と全体の目的について説明する。また、歴史的な流れに基づいて美術や芸術を鑑賞・観察・分析するための手法・知見についての導入的な解説を行う。
第2回講義内容
祭祀と美術
日本の美術・文化の歴史において、宗教的な要素が持つ表現の特徴は大きい。そうした諸要素について、祭祀との関わりの視点から、美術作例を分析して行く。
第3回講義内容
仏教伝来と美術
祭祀的な表現と関連するものとして、仏教美術の要素を分析する。特に、日本の歴史において、仏教が果たした役割と、その影響のもとで発展して行く文化史的展開を考察する。
第4回講義内容
国の形成と美術
国家的な制度の成立と、美術・文化の表現との関連性や、諸外国から流入した要素の展開を見る。
第5回講義内容
国家事業と美術
国家事業のように、官制のシステムのもとで形成される美術・文化の造形やスタイルについて、歴史的な背景とともに分析する。
第6回講義内容
海外交流と美術
日本が積極的に諸外国の文化を受容していた時代における美術作品の造形を見て行く。
第7回講義内容
密教と美術
新しい要素としての宗教的要素とその影響、造形表現の後代への影響等について考察する。
第8回講義内容
王朝文学と美術
いわゆる日本的な文化や芸術という漠然としたイメージで語られる諸要素について、その表現形式や文化的性質を分析する。
第9回講義内容
極楽浄土と美術
仏教等の性質の変化と、それに伴う美術・文化的な変容について観察を加えて行く。
第10回講義内容
武家社会と美術
いわゆる武家的なイメージと実際の美術作品との関連性について造形的な特徴・性質と比較しつつ分析する。
第11回講義内容
文化の多様性と美術
今日的に考えるような、わびやさび、といった漠然とした文化的要素について、その形成過程と展開を見て行く。
第12回講義内容
様々な担い手と美術、まとめ
古い・近い近世期のイメージとして考えている美術・文化の性質の実際について、様々な類例をもとに考察する。
その他の学習内容
・小テスト
原則として、平常点、及び小テスト(合計3回程を予定)の成績等をもって評価する。
小テストの日程は、8/19、8/21、8/23に示される予定。
プリントを適宜配布する
オンラインシステムで確認あるいはダウンロードできるように準備する。
辻惟雄監修『カラー版日本美術史〔増補新装版〕』
『日本美術全集』全24巻+別巻2巻 美術出版社 講談社、2003 1990~94年等
上記の参考文献、全集等の参考文献は、購入の必要はない。
大学のメディアセンター等を活用し、各自で必要に応じて文献を参照されたい。
高等学校で履修する日本史の基礎知識があると、理解の手助けになる。ただし、知識がなくとも、講義内容を理解できるような解説を行う。受講のための制限は設けない。
あり