慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
歴史(西洋史)
担当教員名
舟橋 倫子
科目設置 総合教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 3分野科目/人文科学分野 単位 2
キャンパス 日吉 共通開講学部 -
設置年度 2020 授業コード 12012
開講期間 I期 8/11~8/16 曜日・時間等 1~2限 9:00~12:45

授業科目の内容

現在ヨーロッパはテロ・移民・ポピュリズム・分断といった様々な問題に直面しています。この講義では、文化的・地理的概念としての「ヨーロッパ」が生み出され、形成されてゆく過程を古代から近代までを対象として検討してゆきます。「ヨーロッパ」とは何でしょうか。それは多様な共同体の総体であり、結合と分裂を繰り返す文化的な有機体です。歴史の授業では近現代が中心とされがちですが、ヨーロッパという世界はそれ以前の時代に形成され、成熟していったことを忘れるわけにはいきません。ヨーロッパは矛盾と分裂を抱えつつも止まることなく絶えず自らの領域モデルを抜け出して発展し、他者との対話によって新たな姿を目指して変化し続けてきました。その特有のダイナミズムこそが現代まで脈々と生き続けているヨーロッパの本質であると考えます。各人がそれぞれのヨーロッパ像を具体的に描くことが出来るようになることを学習の目的とします。

第1回講義内容
地中海世界:ローマの世界 文化的重層性と寛容

第2回講義内容
ローマ帝国とキリスト教:内的分裂と統合への新たな試み

第3回講義内容
ローマ人とゲルマン人:移民(受け入れか排除か)・他者との共存

第4回講義内容
中世社会の形成:中世初期・フランク王国の形成:キリスト教と国家

第5回講義内容
中世盛期・農村の世界:共同体形成と封建社会

第6回講義内容
中世盛期・都市の世界:新たな社会秩序と流通経済の発展

第7回講義内容
経済発展のダイナミズム:格差と闘争

第8回講義内容
中世末期の危機:飢饉と疫病

第9回講義内容
宗教改革のエネルギー

第10回講義内容
植民地:ヨーロッパの拡大と矛盾

第11回講義内容
ヨーロッパの多様性と統合:総括

第12回講義内容
総括

その他の学習内容
  ・授業の感想や質問を掲示板に書き込んでください。

成績評価方法

成績評価方法 最終授業が終了した時点で、レポートの課題を提示します。このレポートの評価と掲示板への書き込み(平常点)によって成績を評価します。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

プリントを適宜配布する

参考文献

大学で学ぶ西洋史「古代・中世」/服部良久、南川高志、山辺規子編著 ミネルヴァ書房 2006
大学で学ぶ西洋史「近現代」/小山哲、上垣豊、山田史郎、杉本淑彦編著 ミネルヴァ書房 2011
中世とは何か/J・ル=ゴフ著、池田健二・菅沼潤訳 藤原書店 2005
食の歴史/J-L.フランドラン、M.モンタナーリ編、宮原信・北代美和子監訳 藤原書店 2006

受講上の要望、または受講上の前提条件

高等学校で履修する程度の世界史の知識があることを前提として講義を進めます。