慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
書道
担当教員名
緑川 明憲
科目設置 文学部専門教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 第3類 単位 2
キャンパス 三田 共通開講学部 -
設置年度 2020 授業コード 52045
開講期間 II期 8/18~8/23 曜日・時間等 3~4限 14:15~18:00

授業科目の内容

 わが国の歴史上、美麗な文字を書き残した人々=「能書」が数多く存在します。能書が後世の我々に遺してくれた名筆は、ただ鑑賞に堪え得るという「美術品」の面ばかりではありません。それぞれの書に見られる書風には、彼らが生きた時代の文化や政治状況(古代であれば対外関係も含む)を濃厚に反映しており、「史料」という面も持ち合わせているのです。本講義では、奈良時代から江戸時代を代表する能書とその書を取り上げて、特徴ある書風となった必然性を広く政治、文化、あるいは対外関係などから考えていきます。

第1回講義内容
日本書道史の概説

第2回講義内容
聖武天皇と光明皇后―中国からの影響

第3回講義内容
弘法大師空海(その1)―多様な書風の展開

第4回講義内容
弘法大師空海(その2)―後世への影響と「大師流」

第5回講義内容
小野道風―「和様」の誕生

第6回講義内容
藤原佐理と藤原行成―「和様」の発達と完成(その1)

第7回講義内容
藤原佐理と藤原行成―「和様」の発達と完成(その2)

第8回講義内容
藤原忠通―「和様」の変化と中世の書の始まり

第9回講義内容
藤原定家―「定家様」とその展開

第10回講義内容
青蓮院宮尊円親王―「御家流」の誕生

第11回講義内容
近衞家凞―王朝的な「和様」の復活

第12回講義内容
幕末の三筆―「唐様」の流行

その他の学習内容
  ・課題・レポート
  ・小テスト

成績評価方法

レポートと小テスト等(2、3回程度を予定)により判断します。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

教科書は用いません。

参考文献

春名好重『日本書道史』淡交社、昭和49年
春名好重『能書百話』淡交社、昭和61年

受講上の要望、または受講上の前提条件

 書道史を理解するには、文化や歴史など、幅広い視点が必要です。広く興味を持って講義に臨んで欲しいと思います。