科目名 | |||
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国際貿易論 | |||
担当教員名 | |||
田中 巌 | |||
科目設置 | 経済学部専門教育科目 | 授業形態 | 夏期スクーリング |
科目種別・類 | 単位 | 2 | |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | 法学部でも開講する |
設置年度 | 2020 | 授業コード | 62032 |
開講期間 | II期 8/18~8/23 | 曜日・時間等 | 1~2限 9:00~12:45 |
この授業の目標は、国際貿易の理論を学習し現実の国際経済の舞台で取り上げられる様々な問題について批判的に検討(critical thinking)できるようになることです。
近年の世界的な金融不信に端を発する世界同時不況と日本経済への影響について理解するためには、国際貿易と海外投資、移民の拡大を通じて統合が進んでいる世界経済の特徴を知る必要があります。こうした経済のグローバル化は自由貿易の利益を求めて展開し、地域統合の締結を促進しています。
また、最近年の世界の動きは、自由貿易を主張したリカードの国であるイギリスがEU離脱を表明し、自由な国の象徴ともいえる米国のトランプ大統領はTPP離脱とNAFTAの再交渉を要請するなど、自由貿易が最も望ましいとする価値観は必ずしも共有されなくなってきていることを示唆しています。貿易により賃金や雇用が痛手を受ける産業があるという考え方は、確かに貿易理論からも導き出されることです。それではなぜ自由貿易を推進するのでしょうか。所得格差の拡大とグローバル化の間には何か関係があるのでしょうか。このような貿易論の応用分野にも触れることが出来たらと考えています。
授業では、統計データを見て世界貿易のパターンを理解し、貿易理論の学習とその検証方法を学び、比較優位と貿易利益について理解を深めて、自由貿易のメリットを再確認していきたいと思います。
第1回講義内容
イントロダクション
第2回講義内容
世界貿易の概観(成長率と開放度指数)
第3回講義内容
貿易理論とその検証①(ミクロ経済学の復習、貿易の基本モデル)
第4回講義内容
貿易理論とその検証②(リカードの比較優位理論)
第5回講義内容
貿易理論とその検証③(リカードの比較優位理論(続き))
第6回講義内容
貿易理論とその検証④(へクシャー=オーリンの要素比率モデル)
第7回講義内容
貿易理論とその検証⑤(マクドゥーガルの実験、レオンティエフ・パラドック)
第8回講義内容
独占的競争に基づく貿易モデル
第9回講義内容
通商政策①(関税・非関税障壁)
第10回講義内容
通商政策②(厚生効果)
第11回講義内容
経済のグローバル化とその推進主体(多国籍企業と海外直接投資、経済格差)
第12回講義内容
総括
その他の学習内容
・課題・レポート
・小テスト
100点満点で評価します。確認テストが50点、最終日付近の小レポートが50点です。90点以上がS、80点~89点がA、70点から79点がB、60点から69点がC(以上合格)、59点以下がD(不合格)となります。
プリントを適宜配布する
International Economics,Ninth Edition(International Edition) Kindle版/Husted,Steven,and Michael Melvin Pearson Education,Inc. 2013
International Economics: Theory and Policy,Eleventh Edition(Global Edition)/Krugman,Paul R.,Maurice Obstfeld,and Marc J. Melitz Pearson Education Limited 2018
国際経済学/大山道広 培風館 2011
ゼミナール国際経済入門〔改訂3版〕/伊藤元重 日本経済新聞出版社 2005
経済原論のミクロ分野の知識を必要とし、抽象的なグラフと簡単な数式を用います。統計データを読むことに意欲的で、現実の国際経済問題を理解することに情熱を持っている履修者を歓迎します。