科目名 | |||
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医事法 | |||
担当教員名 | |||
平野 美紀 | |||
科目設置 | 法学部専門教育科目 | 授業形態 | 夏期スクーリング |
科目種別・類 | 甲類・乙類 | 単位 | 2 |
キャンパス | 日吉 | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2020 | 授業コード | 72009 |
開講期間 | I期 8/11~8/16 | 曜日・時間等 | 1~2限 9:00~12:45 |
高度医療の発達と共に患者の自己決定権という意識への高まりを背景として、医療と法の学際領域は広がりを見せ、現在、さまざまな形で議論が活発化している。担当者は刑事法を専門としているので、本講義では、医療をめぐる法的諸問題の中でも特に刑事法が交錯するさまざまなテーマ、たとえば末期医療をめぐる問題、精神障害者の処遇等について、法的問題とその背景を概説する。
第1回講義内容
イントロダクション:
医事法とはなにか、医療と法をめぐる総論的な問題について概説する。
第2回講義内容
医療における医師と患者の関係:
医師に課された法律上の義務、患者の権利について概観する。
第3回講義内容
患者の自己決定権の尊重:
いゆわるICがなぜ重要なのか、患者の自己決定権が重要とされるようになった背景や、患者の人権擁護の必要性について概観する。
第4回講義内容
患者の自己決定権が制限される場合:
患者の自己決定は尊重されなければならないが、自己決定能力が低下している場合や生命の終結に関する場合など一定の場合においては、それが制限されなければ患者の人権を擁護できない場合がある。それらの問題について概観する。
小レポート予定
第5回講義内容
生命の始期と患者の自己決定権:
法律における生命の始期、生殖医療技術をめぐる法的問題、人工妊娠中絶の問題について取り上げる。
第6回講義内容
生命の終期における患者の自己決定権:
生命の終期における患者の自己決定と自己決定が制限される場面についての法的問題について概観する。
小レポート予定
第7回講義内容
生命の終期における患者の自己決定権①脳死と臓器移植:
生命の終期の問題として脳死の問題と1997年臓器移植法を取り上げて概説する。
第8回講義内容
生命の終期における患者の自己決定権②尊厳死と安楽死:
生命の終期の問題として安楽死尊厳死の法的諸問題や厚労省のガイドラインについて概観する。
第9回講義内容
生命の終期における患者の自己決定権③海外の事例:
終末期医療における患者の自己決定権の問題は、その国における法律、医療、社会福祉などの制度や国民性、さまざまな事情を背景に論じられる。我が国の特徴を、海外の状況と比較しながら、異なる視点から概観する。
第10回講義内容
精神医療と患者の自己決定①:
精神科医療においても患者の自己決定は尊重されなければならないが、患者の医療と保護のため、その権利を制限しなければならないときもある。精神保健福祉法を中心に概説する。
第11回講義内容
精神医療と患者の自己決定②:
患者の医療と保護のため、その権利を制限しなければならない場面として、精神科医療における患者の自己決定と強制入院制度について解説する。
第12回講義内容
小レポートの講評、最終レポートのガイダンス
総括
その他の学習内容
・課題に対する小レポートを2回、最終レポートを1回
小レポート2回、最終レポート
プリントを適宜配布する
価値観が多様化する社会の中で明確な結論の出ないテーマも多く、法的知識を得たうえで、受講者それぞれが主体的に考察を深めていただきたいと思います。