慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
政治学特殊
担当教員名
河野 武司
科目設置 法学部専門教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 甲類・乙類 単位 2
キャンパス 日吉 共通開講学部 -
設置年度 2020 授業コード 72036
開講期間 I期 8/11~8/16 曜日・時間等 3~4限 14:15~18:00

授業科目の内容

本講義の目的は、現代政治学のみならず様々な学問領域で必須となっている計量分析の方法の基本について、パソコンを使った実習を通して学びます。卒論のテーマによっては、自分が主張したいことを実証するために、数値データを統計学的に処理しなければならない場合が多々あります。このような学生諸君の需要や希望にも応えられるようにしたいと考えています。なお、以下の講義計画は暫定的なものであり、順序や内容について若干の変更がある場合もあります。

重要】
以下は、コロナウイルスの感染拡大の影響で教室での対面授業ができなくなったため、この授業をどのように進めるかについて書きました。
なお、状況は刻々と変化しており、それに応じて授業の内容や評価の方法、進め方なども変更になる場合もあることを予め承知しておいてください。

「この授業は、テレビ会議システムであるZoomを用いたリアルタイムのオンラインでの授業とします。」
授業の進め方等に関する詳細については、学生諸君が利用可能となり次第Kcc-Trackの「お知らせ」の機能などを用いて、改めてお知らせします。
また履修を希望する方は、下記のアドレス宛にメールで私に問い合わせていただいても構いません。
tkohno58@yahoo.co.jp

通信容量の上限や通信速度に制限がかかるといった通信環境に余裕のない学生の方にはまことに申し訳なく思いますが、この授業は実習が不可欠の授業ですので、リアルタイムのオンラインで実施させていただきます。
講義の実施方法の変更に伴い、講義内容だけでなく、試験ならびに成績評価の方法も変更せざるを得ませんが、それは最初の授業で説明いたします。
まずはZoomの使い方を授業開始前に習得しておくようにしてください。
ZoomはLineのようなもので、使用するにあたっては、決してハードルの高いものではありません。
授業に出席(参加)するにあたってはZoomの無料版で十分です。
自宅にいながら、対面の授業が受けられるといったように気楽に考えてください。

第1回講義内容
計量的な分析の手順と信頼性・妥当性 リサーチプロセスの循環的8段階 ①問題意識、②既存研究の確認、③仮説構築、④仮説中の概念の操作化、⑤研究のデザイン、⑥データの収集、⑦分析、⑧理論化

第2回講義内容
データの種類と統計的手法 名義尺度・順序尺度・間隔尺度・比率尺度

第3回講義内容
データの視角化 ヒストグラムと散布図

第4回講義内容
データの数値要約 中心化傾向(平均・分散・歪度・尖度)

第5回講義内容
統計的仮説検定 帰無仮説、両側検定・片側検定、有意水準(危険率)

第6回講義内容
質的変数における2変数間の関連の分析 クロス表分析と独立性の検定

第7回講義内容
量的変数における2変数間の関連の分析① 相関分析→2変数間の連関の度合い

第8回講義内容
量的変数における2変数間の分析② 単回帰分析→原因(独立変数)が結果(従属変数)に及ぼす影響の度合い

第9回講義内容
多変数間の構造の分析と未来のコントロール 重回帰分析→複数の原因が結果にどのような影響を及ぼしているか

第10回講義内容
未来の予測 直線予測と曲線予測

第11回講義内容
従属変数が2値(ダミー変数)の場合の判別分析 2項ロジスティック回帰分析

第12回講義内容
試験・総括

その他の学習内容
  ・小テスト

成績評価方法

最終日の試験と1回程度授業時間中に実施する予定の小テスト、ならびに授業中の私の問いかけに対する回答や学生諸君からの質問などの普段の授業に対する貢献を総合して評価します。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

7日間集中講義! Excel統計学入門/米谷学 オーム社 2016

参考文献

文系でもわかる統計分析/須藤康介・古市憲寿・本田由紀 朝日新聞出版 2012
データ分析をマスターする12のレッスン/畑農鋭矢・水落正明 有斐閣 2017

プリントを適宜配布する

受講上の要望、または受講上の前提条件

受講者は50人を上限とします。それを超える希望者がある場合には抽選を行います。実習形式の授業です。毎回の出席が欠かせません。また授業で使用するソフトはExcelを予定しています。Excelのことは知らなくても、パソコンの操作方法を熟知していること、さらには比較的に動作が軽いとされているZoomですが、Zoomを利用するにあたってスピード・容量など通信環境に十分な余裕のあることを受講の前提条件とします。統計学や数学の知識は必須ではありません。