慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
国語科教育法特論Ⅲ
担当教員名
鈴木 彩
科目設置 教職科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 教職 単位 2
キャンパス 三田 共通開講学部 -
設置年度 2020 授業コード 82003
開講期間 II期 8/18~8/23 曜日・時間等 3~4限 14:15~18:00

授業科目の内容

 新学習指導要領においては「主体的・対話的で深い学び」を実現すべく「アクティブ・ラーニングの視点に立った授業改善」が推進されるなど、授業において求められる方法論は常に変わりつつあります。その一方で「基礎的・基本的な知識及び技能」の確実な習得も重視される以上、実際の教育現場では、従来の講義型の学習と、協働学習・発見学習を主体としたアクティブ・ラーニングを組み合わせながら、試行錯誤が行われているのが現状であろうと考えられます。
本科目では、模擬授業の実施や、授業実践の検討、定番教材を中心とした教材研究などを通して、実践的な視点から「これまでの国語」の授業、そして「これからの国語」の授業について、皆様と共に考えたいと思っています。実施方法は、配信した資料をご覧いただき、それに関連した短い課題などを提出していただく「オンデマンド配信型」と、下記テレビ会議ツールを使用した「リアルタイム配信型」を組み合わせる予定です。詳細は第1回目の授業にてお話ししますが、現在の予定は下記の通りです。
 「オンデマンド配信型」では、実際に行われた授業実践を学び、良い点や改善点を考察すること、教材を分析して効果的な学習方法・発問・導入などを考えること、共通の教材について試験問題を作成し、妥当性を検討することなどを通じて、具体的・実践的な話題について思考を巡らせ、時には受講生間の意見を共有しながら、国語教育の可能性や課題への理解を深めます。
 「リアルタイム配信型」では、WebexやZoom等のツールを使用し、受講生の皆様に可能な範囲で模擬授業の実践をしていただきたいと考えています。下記の「受講上の要望または受講上の前提条件」にありますように、授業が始まる前に任意の教材を選んで、学習指導案の作成に取り組んでください(指導案の書き方は8月上旬に通信教育部のオンライン授業システム「kcc-track」でお伝えします)。3日目以降に模擬授業を実施し、その後教員から、また受講生同士でフィードバックを行います。
 下記のスケジュールは受講者の人数などに応じて、順番や回数が変更される可能性がありますので、ご了承ください。こちらも詳細は第1回目の授業にてお話しします。

第1回講義内容
ガイダンス――国語教育のこれまで・これから――

第2回講義内容
授業研究Ⅰ―教育実践論文の検討―

第3回講義内容
授業研究Ⅱ―教育実践論文の検討―

第4回講義内容
教材研究Ⅰ―定番教材への視点さまざま―

第5回講義内容
模擬授業と相互評価・教員からのフィードバックⅠ

第6回講義内容
模擬授業と相互評価・教員からのフィードバックⅡ

第7回講義内容
模擬授業と相互評価・教員からのフィードバックⅢ

第8回講義内容
模擬授業と相互評価・教員からのフィードバックⅣ

第9回講義内容
教材研究Ⅱ―非・定番教材への視点さまざま―

第10回講義内容
試験問題研究・作成Ⅰ―実際に作問してみましょう―

第11回講義内容
試験問題研究・作成Ⅱ―実際に作問してみましょう―

第12回講義内容
総括およびレポート

その他の学習内容
  ・小レポート(コメントペーパー・短い課題)の提出

成績評価方法

①模擬授業(学習指導案を含む)、②平常点(参加態度、各回のコメントペーパーや課題の提出など)、③レポートを総合して評価します。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

プリントを適宜配布する

受講上の要望、または受講上の前提条件

 スクーリング開始前に、高校または中学校の授業で扱うことを想定した任意の教材(目安として授業が4 ~ 5 時間で完結するもの)を選び、学習指導案を作成してください。指導案の書き方は、8月上旬にオンライン授業システム「kcc-track」でお伝えします。模擬授業ではその一部を実践していただく予定です。今回の模擬授業は、基本的には「従来型の授業をテレビ会議のツール上で可能な限り再現するもの」とお考えいただいて問題ありませんが、はじめから「オンライン授業として実践するもの」の模擬授業を行ってみたいという方は、それを想定してご準備いただいても構いません。
 そして授業の初日に「作成した指導案」と「扱う教材のコピー」を提出できるようご準備ください。例年は教科書のコピーをご用意いただきましたが、今年度は本をスキャン・撮影したもの、青空文庫(著作権の消滅した文学作品の無料閲覧サイト)をコピー&ペーストしたものなど、教員や他の受講者が閲覧できれば形式は問いません。
 初日にそれらを提出していただきますが、指導案は、3日目以降の模擬授業実施日までに修正しても構いません。
 なお新学習指導要領は文部科学省のウェブサイトで公開されています。旧指導要領とあわせて受講前に目を通しておくと、授業がさらに理解しやすくなることと思います。
 またスクーリングの各授業の要点は、プリントを元に整理・復習しておきましょう(目安として各40分程度)。

講師の実務経験※実務家としての経験があり、その知見が授業に反映されている場合に、「あり」と表示されます

あり