科目名 | |||
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保険学 | |||
担当教員名 | |||
神田 恵未 | |||
科目設置 | 経済学部専門教育科目 | 授業形態 | 春期週末スクーリング |
科目種別・類 | 単位 | 2 | |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | 法学部でも開講する |
設置年度 | 2020 | 授業コード | 62037 |
開講期間 | 2020年6月13日~6月28日 | 曜日・時間等 | 第1週6/13・14、第2週6/20・21、第3週6/27・28、土曜日13:30~17:15、日曜日9:00~12:45 |
保険制度は、社会に存在する多種多様なリスクに備えて経済的保障を提供する経済制度として、既に私たちの生活に深く浸透している。本講義では、保険制度が、現実社会の中でいかなる仕組みや原理に基づいて、社会的あるいは経済的機能を果たしているのかを理解することを目的とする。
主な講義内容および順序は、以下の通りである。
第1回講義内容
【イントロダクション】
本講義の目的および概要、成績評価について説明する。
第2回講義内容
【保険の歴史】
保険の生成史について、原始保険から近代保険そして現代保険の順に説明する。保険が現代社会にとって、必要不可欠な経済制度となった経緯および要因について、その歴史から学んでいく。
第3回講義内容
【保険の基本理論】
「保険とは何か」について、保険学説の流れから紐解いていく。さらに、保険の基本法則である大数の法則について説明する。保険の本質を理解することによって、社会経済システムにおける保険制度の存在意義について考える。
第4回講義内容
【保険の基本原則】
保険の基本原則について説明する。まずは、保険経営の安定性と保険の集団性を強調した収支相等の原則、次に個別契約の保険料設定と保険における公平性を強調した給付・反対給付均等の原則について理解を深める。
第5回講義内容
【保険の構造】
保険の構造について、保険料の構成から解説する。純保険料と付加保険料の相違点そして保険料の決まり方を理解する。そして「付加保険料開示の是非」について、グループディスカッションを行う。
第6回講義内容
【保険の機能】
保険の機能について、今まで学んだ内容をふまえながら考えることとする。保険の歴史と理論、そして保険の基本原則と構造から、現代社会経済において保険はどのような機能を果たしているかについて理解を深め、今後の保険進化について考える。
第7回講義内容
【保険とリスク】
保険とリスクの関係について考える。リスクの概念およびリスクマネジメントについて理解することによって、保険はリスク移転の手段であることを確認する。
第8回講義内容
【保険と金融】
保険会社の金融機能について説明する。資産運用によって得られる金融収益は、なぜ保険会社の経営にとって大事であるかについて検討する。合わせて保険会社の機関投資家としての位置付けを確認する。
第9回講義内容
【保険と経営】
保険会社の経営について、3つの分野を中心に説明する。第1に生命保険事業、第2に損害事業、そして第3に再保険事業について考える。保険経営をめぐる経済環境の変化とその影響についてグループディスカッションを行う。
第10回講義内容
【保険と政策】
保険事業の健全な発展にとって、保険政策がどのよう役割を果たすかについて考える。戦後の護送船団行政から規制緩和による保険自由化の影響と課題について説明する。
第11回講義内容
【保険とイノベーション】
新たな転換期を迎えている保険業の今後について、保険進化の観点から考える。また、消費者の保険意識と行動変化について、合わせて検討する。今までの学びを振り返るとともに、保険業の今後についてディスカッションを行う。
第12回講義内容
【総括・試験】
講義全体の総括を行う。そして、授業内容に関する理解度をテストによって確認する。
その他の学習内容
・課題・レポート
・小テスト
課題・レポートおよび講義最終日試験の成績による。
プリントを適宜配布する
保険理論と保険政策―原理と機能/堀田一吉 東洋経済新報社 2003
はじめて学ぶリスクと保険〔第4版〕/下和田功編 有斐閣 2014
特にありません。試験は、講義で話した内容を中心に出題する予定であるので、できる限り授業には出席するよう心がけてください。