慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
英語Ⅲ
科目設置 総合教育科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 外国語科目/英語 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2020 授業コード T0DA000801

講義要綱

『英語Ⅲ』の主な目標は、時事的なトピックを扱う英字新聞や現代人の抱える諸問題に取り組む著述家の作品に触れることによって、リーディングの能力を向上させることです。記事やストーリーを楽しみながら、知らず知らずのうちに様々な英語の言い回しを学び、ボキャブラリーを増やして、英文の読解力を養うことができます。
 Part Ⅰは、受講者に多読の習慣をつけてもらうことを目的としました。新聞記事をテキストの一部に採用することによって、英字新聞に親しんでもらえればと思います。また科目試験では、問題作成時の大きなニュースを出題する予定です。テキスト外からの応用問題となるので注意してください。
 フィクションの部では娯楽性に重点をおいて選択しました。英語Ⅲのテキスト本文僅か100ページ足らずを読んで、即英語ができるようになるわけではありません。文庫本を読むような感覚で、英語のぺーパーバックが読めるようになって欲しいと思います。そのための導入になるようにと編集したつもりです。
 Part Ⅱでは、イギリス人作家1名、およびイングランド在住のアイルランド人作家2名の作品を収録しています。最初の作品─ジョージ・オーウェル「象を撃つ」はルポルタージュで、歯切れのよい直截的な表現を特徴としています。次にウィリアム・トレヴァーの短編「中年の出会い」は、フラッシュバックの手法を用いながら、男女の邂逅による出来事を心理の襞に入って巧みに描写しています。そしてエドナ・オブライエンの小品「暗黒の時間のなかで」は、初めて大学都市ケンブリッジを息子と共に訪れた作者が、女性特有の感性でその印象を綴っています。
 客観的な情景、作中人物の意識の推移、会話の部分などが融合していることがあります。テキストの解説を参照し、ストーリーの概略を把握した上で、作品の文脈に注意しながら読んでください。

履修上の注意

この科目は、中学・高校時代のベーシックな英文法の輪郭を習得した学習者なら、誰でも履修できます。仮定法、関係代名詞、主語・動詞の倒置などに留意しながら、少しずつ読み進んでください。
 センテンスが長いときには、意味のまとまりごとに、鉛筆で斜線を入れるなど、自分で工夫してみましょう。

成績評価方法

科目試験による。

参考文献

Wayne I. Phillipsほか著『アメリカの文化と社会』成美堂(文章構成の把握、語彙の増大に便利。)

レポート作成上の注意

レポートでは、どの程度、テキストの英文を理解できているかについて試す問題が出されています。いずれも基礎的な知識を問う問題で、比較的容易に理解できるものばかりですが、作品全体を読んでいないと難しいかもしれません。和訳に関する質問では、名訳を期待しているわけではありません。語学的に正確な、日本語として分かりやすい文章を書くように心掛けてください。