慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
心理学Ⅱ―実験・測定・モデルー
科目設置 文学部専門教育科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 第1類 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2020 授業コード T0EA002001

講義要綱

この科目は、基礎の心理学の重要な研究方法である実験・測定・モデルについて学ぶことにより、実証科学としての心理学の考え方を理解することを目的とする。したがって履修者は、個々の現象や実験結果の細かい点に気を取られすぎずに、どうしてそのような実験が必要となったのか、実験結果からどのようにしてどのような考察が引き出されたのか、といった研究における考え方の流れを、論理的に筋道立てて理解するよう努力してほしい。
 本テキストは書かれてからかなりの年月が経過し、その間に心理学は大きな発展を遂げている。その意味からもテキストだけを勉強するのではなく、下記の参考書などを十分に活用して勉強してほしい。特に(1)『認知心理学を知る』からは、毎回かならず科目試験の問題が出題されるので、テキストとあわせて十分に勉強しておく必要がある。

テキストの読み方

本テキストは独学で学ぶには非常に難解で、数学や統計学の基礎知識もある程度高い水準のものが要求される。もちろんある程度の数学・統計学の知識は心理学を学ぶ上で必要なものである。しかし、本科目の履修に際しては、数式や数学的手法を完全に理解することよりも、考え方・精神を理解することに主眼を置いてほしい。

履修上の注意

履修者は、参考文献(1)の『認知心理学を知る』をあわせて勉強することが要求される。科目試験では、テキストのみではなく、この文献からも問題が出題される。また、ある程度の数学・統計学の知識があることが望ましい。最低限、総合教育科目の統計学、あるいは文学部専門教育科目の心理・教育統計学を修得している必要がある。

関連科目

「統計学(A)(総合教育科目)」、「心理・教育統計学(文学部専門教育科目)」

成績評価方法

科目試験による。

参考文献

(1) 市川・伊東編著『認知心理学を知る 第3版』おうふう、2009年
(2) 井上・佐藤編著『日常認知の心理学』北大路書房、2002年
(3) 仲真紀子編著『認知心理学』ミネルヴァ書房、2010年

レポート作成上の注意

レポートの作成に際しては、読者として「心理学Ⅱ」の授業を履修する基礎学力は持っているが、まだ履修前の学生を想定すること。実験の紹介は、目的、方法、結果、結論に分けて簡潔、かつ明瞭に記すこと。紹介する研究は、原則として専門誌などに掲載された論文に直接あたること。心理学研究、認知心理学研究、基礎心理学研究などの雑誌が読みやすいと思われる。ウェブ上でCiNii Articles、J-STAGEなどのデータベースを利用するのもよい。引用・参考文献はもらさず記す。その際、形式はテキストや参考書などに倣い、標準的な方法にして一貫性を保つこと。横書きに限る。