慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
現代英文学
科目設置 文学部専門教育科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 第3類 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2020 授業コード T0EA002802

講義要綱

〔授業の到達目標及びテーマ〕  


20世紀以降のイギリス小説のありかたを理解する。具体的には以下の3点を軸とする。


1.年表にしたがって20世紀初頭から現代のイギリスの諸相を理解する。


2.第一次世界大戦、モダニズム、第二次世界大戦、1950年代、1960年代、20世紀後半、21世紀と時代を区切りそれぞれの時代の小説の流れを概観し、代表的な作家と作品を考察することができる。


3.きわめて重要な小説論を読みながら、20世紀から現代までの小説史をまとめることができる。


〔授業の概要〕  


20世紀から現代までのイギリスの社会情勢を理解し、代表的な小説が時代をどのように描いているか、考察する。


〔授業計画〕  


指定教科書の構成は次の通り。   


まえがき  


Ⅰ 小説家たち Novelists  


 1 終わりと始まりと 1901-1919年


 2 戦後から戦後へ 1920-1954年


 3 再びの始まり 1955-1979年


 4 1980年以降のイギリス小説 1980年-


Ⅱ 年表 Chronology


Ⅲ 作品一覧 Works  


Ⅳ 小説論 Novelists on Novels  


 Modern Fiction──Virginia Woolf   


 A Room of One’s Own──Virginia Woolf   


 Professions for Women──Virginia Woolf   


 The Novel──D. H. Lawrence   


 Why the Novel Matters──D. H. Lawrence   


 The Novel and the Feelings──D. H. Lawrence   


 Thus to Revisit──Ford Madox Ford  


用語解説 Glossary  


主要参考文献

テキストの読み方

「まえがき」において、まず、現代英文学への基本的な視座を確認するとともに、指定教科書の構成を熟知していただきたい。その上で、「小説家たち」を熟読し、各作家が取り組んだ多様なテーマとその表現手法を十分に理解することが求められる。「年表」には、同時代の文化的・社会的事象が記されており、そうした文化的・社会的コンテクストについても十分に理解を深めておくこと。あわせて、学習内容を整理するために、「作品一覧」や「用語解説」を活用してほしい。「小説論」は、代表的な作家による小説論、文学論が掲載されている。じっくりと英文を精読し、論述内容をよく理解した上で、それらを現代英文学の基本的な流れと照合し、それぞれの文学史的意義を検討してほしい。発展的な学習をしていく上では、「主要参考文献」の活用が望まれる。

履修上の注意

テキストの情報を参考に、少しでも多くの作品に実際にふれることが重要である。イギリス小説の多様性を理解してほしい。

成績評価方法

レポートの合格を前提として科目修得試験によって評価する。

参考文献

Alexander, Michael. A History of English Literature. Basingstoke: Palsgrave Macmillan, 2007.


Day, Gary, ed. Literature and Culture in Modern Britain, Volume Two: 1930-1955. London: Longman, 2000.


石塚久郎編『イギリス文学入門』三修社、2014年。


河内恵子編著『現代イギリス小説の「今」─記憶と歴史』彩流社、2018年

レポート作成上の注意

引用文の情報を明記すること。