科目名 | |||
---|---|---|---|
近代ドイツ小説 | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 第3類 | 単位 | 2 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2020 | 授業コード | T0EA006401 |
教科書『近代ドイツ小説』では主に小説ジャンルに特化して、ドイツ文学史を語っています。(韻文でなく)散文による物語である「小説」は、元来は「叙事詩」「抒情詩」「戯曲」という古典的ジャンルより低くみられていました。しかし、小説は近代以降次第に文芸の中心的なジャンルになってゆきます。それは、近代以降の人間や社会の多面性と複雑さを表現する上で、小説がもつ自由度の高さが大きな利点となったためです。教科書を読むさいは、「小説が何を表現しようとしているか」に着目しながら、近代以降の小説の運命を辿ってみてください。
履修に際しては何をおいても教科書を熟読し、内容をしっかり理解するようつとめてください(レポート課題や科目試験は基本的に、この教科書の範囲内から出題されます)。くりかえし教科書を読むうちに、ここで紹介された作品に興味がわいてくるはずです。翻訳で手に入るものも多いので、ぜひできるだけ多くの作品に触れてみてください。そうすることで、教科書の記述がストンと腑に落ちるはずです。興味がわいたら、小説以外のドイツ文学について知るために、何種類も出ているドイツ文学史をひもとくのもいいでしょう。また、ドイツ文化史やドイツ(語圏)の歴史に関する参考書を読むことでさらに教科書の記述が立体的につかめるようになるでしょう。ドイツ文学やドイツ語圏の文化・歴史を深く知るための大きな足がかりが得られることを願っています。
教科書を3回は通読してみましょう。最初は聞いたことのない固有名詞や作品名の羅列に思えても、何度も読むうちにドイツ近代小説の歴史全体がいくつものうねりをもち、数々のドラマに彩られた大きな流れとして捉えられるようになるはずです。その上で、関心を持った作品を実際に読んでみてください。そしてそのあとで、関心に応じて参考文献に当たり、徐々に知識を増加させてください。
現代においてインターネットは有力な情報源です。ドイツ小説に関しても、作家や作品についてネットで得られる有効な情報は多々ありますから大いに利用してください。ただしレポート作成に際し、ウィキペディアなどネット情報の「コピペ」は厳禁です。
文学はすべてに関連していますが、特に、哲学、美術史学、音楽などにも関心をもってください。余力があれば、さらに社会学、歴史学、科学史などにも進んでください。
科目試験によって評価します。
藤本ほか著『ドイツ文学史(第2版)』(東京大学出版会、1995年)、佐藤晃一『ドイツ文学史』(明治書院、2002年)、岡田ほか著『ドイツ文学案内(増補改定版)』(朝日出版社、2000年)、柴田翔編著『はじめて学ぶドイツ文学史』(ミネルヴァ書房、2003年)、保坂一夫『ドイツ文学(放送大学教材)』(放送大学教育振興会、2003年)、阿部謹也『物語ドイツの歴史』(中公新書、1998年)。
レポート執筆の際は教科書や参考文献の引き写しにならないよう気をつけてください。教科書や参考文献を読んで理解したことを自分の言葉で自分の友人に語って聞かせるつもりで書いてください。参考文献からの引用にはかならず出典を(通常は注として)明記してください。(「論文の書き方」等の本で論文の構成や注の付け方を確認してください)。