慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
商業学
科目設置 経済学部専門教育科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2020 授業コード T0EB002602

講義要綱

 製造業者によって生産された製品が、消費者によって消費されるまでの間には、所有、空間、時間、情報などに関して懸隔がある。これらのさまざまな懸隔を架橋するのが流通過程であり、それは、(1)流通される製品、(2)交換、物流、情報伝達、危険負担といった流通機能、および(3)製造業者、卸売業者、小売業者などに代表される流通機関によって構成されている。そして、この流通過程は、全体的に見て、1つのシステムとして構造化・制度化されている。これが流通システムであり、それは市場経済が円滑に機能するうえで、きわめて重要な役割を果たしている。
 さらに、流通システムの性質や役割は、生産技術や流通技術の進展、消費市場の変化、製造業者や流通業者の革新的なマーケティング活動などによって、動態的に変化する。例えば、現在では、情報・通信技術の発展、市場の範囲のさらなる拡大、製品や組織間関係のモジュール化の進展が、流通システムに大きな変化をもたらしている。
 本講座は、市場経済において重要な役割を果たしている流通システムの基本的な仕組み、また経済発展に伴う流通システムの変化傾向とその影響要因について理解することを目的としている。

テキスト

田村正紀『流通原理』千倉書房、2001年

テキストの読み方

・テキストの各章の最後にある要約を参考に(それに付け加える形で)、各章の内容をまとめたノートを作ること。
・ある現象がなぜ生じているのかを理解すべく、その現象の背後にある原理(いくつかの重要な概念とそれらの間の関係)を押さえること。
矢作敏行『現代流通:理論とケースで学ぶ』有斐閣アルマ、1996年
渡辺達朗・原頼利・遠藤明子・田村晃二『流通論をつかむ』有斐閣、2008年

履修上の注意

 特になし。

成績評価方法

 科目試験による。

レポート作成上の注意

 テキストと参考文献それぞれの課題に関連する部分をよく読んだうえで、解答すること。