慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
国際法Ⅰ
科目設置 法学部専門教育科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 甲類・乙類 単位 4
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2020 授業コード T0EC006203

講義要綱

経済活動や環境問題を考えると私たちが生きている社会は様々な部分で国際的になってきています。また、難民問題は大きな関心事項です。その国際社会において生じている状況に対応するために、国際法は多様な規則を提供してきました。国内社会の一員であると同時に国際社会の一員である私たちがそこで起きている出来事に敏感であることが求められています。国際社会の理解を法という視点から行うための力を養うこと、これが「国際法Ⅰ」の目標です。この学習を通じて国際社会を身近に感じてほしいと願っています。
 「国際法Ⅰ」は、国際法の主体、法源、責任を対象とし、指定教科書の構成は次のとおりです。
 第1部 総論
 Ⅰ 主体
  1 国
  2 国家承認・政府承認
  3 国際機構
  4 裁判権免除
  5 個人
  6 NGO
 Ⅱ 法源
  1 条約
  2 留保
  3 強行規範
  4 慣習法
  5 国際機構の決議
  6 国際法の国内的実施
 Ⅲ 責任
  1 国際責任の発生要件
  2 国際責任の法的結果(賠償)
  3 国際責任の履行

テキスト

大森正仁編著『よくわかる国際法〔第2版〕』ミネルヴァ書房、2014年

テキストの読み方

条約集を手元に置いて、該当する条約の規定を参照しながらテキストを読んでください。また、判例集の活用も有効です。
テキスト第2部各論(Ⅴ空間と国際法、Ⅵ環境と国際法、Ⅷ個人と国際法)についても、第1部総論とのつながりで読み進めてください。

履修上の注意

法学の基本的な知識を修得しておくことが必要ですが、何よりも国際社会で生じている出来事に強い関心を持って問題を考えることが重要です。

成績評価方法

科目試験による。

参考文献

岩沢雄司編『国際条約集』(有斐閣、2020年)
位田隆一・最上敏樹編『コンサイス条約集』(三省堂、第2版、2015年)
小寺彰他編『国際法判例百選』(有斐閣、第2版、2011年)

レポート作成上の注意

課題は国際法の基本概念である主体と法源について問うものです。テキストの内容を理解した上で自分の言葉でそれを表現してください。
作成にあたっては参考文献(学術雑誌掲載論文を含む)を検索して利用するように努めてください。文献引用はレポートの一部ですので正確に行うことが必要です。どこまでが他の人の意見で、どこからが自分の意見であるのか明確にしてください。