科目名 | |||
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新・日本外交史Ⅱ | |||
科目設置 | 法学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 甲類・乙類 | 単位 | 4 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2020 | 授業コード | T0EC005302 |
第二次世界大戦後の日本外交は、今日に至るまで、戦後処理としての戦後憲法(特に第九条)と冷戦の産物としての日米安保条約を二本柱とする枠組み(「九条・安保体制」)に支えられている。その間言論界や政治の世界で改憲論や対米依存への違和感が繰り返し示されてきたにもかかわらず、その構図は今も(「戦後レジーム」からの脱却を唱える安倍政権下においても)基本的に変わっていない。そうしたマクロの連続性を前提とした上で、それでも戦後の日本外交はそれなりに大きな変化を経験してきた。その戦後のプロセスを実証的に理解し、なぜそうなのかを深く考えたい。
講義要綱で指摘した視点は、教科書では明示的な文章にはなっていないが、行間から読み取ることは可能だろう。参考文献や他の良質の書籍を積極的に読みながら考えてほしい。
個々の具体的な事実や出来事に一定の(できるだけ普遍的な)意味付けを与えるべく試行錯誤を繰り返すことが、「学問」の課題でありプロセスである。そこで身につくことは社会科学的なセンスとしかいいようがないが、断定的な発想はそのセンスがないことを証明することになるので気をつけたい。
科目試験による。
添谷芳秀『日本の外交―「戦後」を読みとく』ちくま学芸文庫、2017年
レポート課題に対するいわゆる「正解」は存在しない。また、単なる事実関係の羅列に終わらないように留意したい。分析視角(事実関係に一定の意義付けを与える一貫した視点)に一定のセンスや論理性があり、全体の考察に分析的なまとまりがあることが重要である。