慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
ドイツ文学史
担当教員名
平田 栄一朗 /津崎 正行
科目設置 文学部専門教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 第3類 単位 2
キャンパス 三田 共通開講学部 -
設置年度 2020 授業コード 52054
開講期間 II期 8/18~8/23 曜日・時間等 3~4限 14:15~18:00

授業科目の内容

啓蒙主義時代に著しく発展したドイツの戯曲は、社会の出来事を直接・間接的に反映する時代の鏡の役割を果たしてきました。例えば18世紀に市民階級が台頭し、19世紀に労働者階級が都市に出現した際の問題は、戯曲の人物模様に反映されています。このような戯曲が近代以降書き続けられているので、ドイツの戯曲史はドイツ社会の歴史とともに展開してきたといえるでしょう。本講義では啓蒙主義以降の戯曲の特徴と時代背景を解説した上で、ドイツ社会の問題とその克服のあり方を論じ、戯曲からみたドイツ社会史を近代から現代まで辿ります。また戯曲の舞台作品を映像資料によって紹介することで、戯曲の演劇的な側面も紹介します。講義は原則として平田と津崎が交替で行います。

第1回講義内容
オリエンテーション:『エミーリア・ガロッティ』と啓蒙主義

第2回講義内容
シラーの作品にみるシュトゥルム・ウント・ドラング

第3回講義内容
『メアリー・ステュアート』(シラー)にみる政治と歴史

第4回講義内容
『長靴をはいた牡猫』(ティーク)と社会風刺

第5回講義内容
『織工たち』(ハウプトマン)の産業社会

第6回講義内容
『輪舞』(シュニッツラー)の「二重モラル」

第7回講義内容
『ファッツァー』(ブレヒト)と現代ドイツ史

第8回講義内容
『物理学者たち』(デュレンマット)とスイス演劇

第9回講義内容
戦後ドイツ:過去の抑圧と過去の克服(1)

第10回講義内容
戦後ドイツ:過去の抑圧と過去の克服(2)

第11回講義内容
総括

第12回講義内容
『スポーツ劇』(イェリネク)にみる群衆と権力

その他の学習内容
  ・特になし

成績評価方法

出席回数・講義への姿勢・筆記試験を総合的に判断して評価を決めます。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

特になし

受講上の要望、または受講上の前提条件

通信テキスト「近代ドイツ演劇」をあらかじめ読んでおくと、講義の理解が深まるでしょう。