慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
身体知―創造的コミュニケーションと言語―
担当教員名
横山 千晶
科目設置 総合教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 3分野科目/人文科学分野 単位 2
キャンパス 日吉 共通開講学部 -
設置年度 2020 授業コード 12019
開講期間 I期 8/11~8/16 曜日・時間等 3~4限 14:15~18:00

授業科目の内容

 本年度は思ってもいない状況となってしまいました。夏の間も授業は遠隔で行うことが決定しました。それならせめて身体知の授業は身体的な距離を取って対面でできないかと交渉したもののあえなく却下されました。ここで授業を閉講とするのは簡単ですが、大学という様々な教育の可能性を提供する場での閉講は、やすやすと降伏するのと同じでなんとも悔しいです。それならば思い切りこの状況の中で自らと他者の存在に視覚と言葉つながってみるクラスを展開してみるのもちょっとした冒険かもしれません。みんなの力で何ができるでしょうか。当初の予定通り、まずは以下の二つのことを、行ってみたいと思います。

1.自分の言葉と解釈を見つける
詩を読みます。オンラインの画面を通して意見を述べ合うことで、異なるものの見方に出会あいます。

2.声に出す
続いて朗読することで、自らの声をみつける作業を行います。うまく読む必要はありません。むしろ、自分らしい「声」を見出してください。どの文章を読んでいるときに一番声が出やすいか、どの文章を読むことが好きか、読むことで解釈は変わってくるか。そして同じ文章でも他人が読むとどう解釈できるのか、を意識してみます。

ここまでは当初の予定通りです。ここからが問題です。対面でお会いできないために当所の予定を以下のように変更いたします。

3.想像力とオンラインでできる「表現法」を使って他者とつながる
声の次は自分の体と表現法に注目します。体を使ってみる。上半身だけでも構いません。言葉を絵にしてみるとどうか。他者の投げかけた言葉から自分自身の言葉を足してみるとどうか。オンラインで可能な表現法を使って他者と共同で創作を行っていきます。

4.聞く、そして創作する
その次は「聞く」作業に入ります。他者の話を聞くことから、その話を新たな解釈へとつなげ、そこから新たな創作活動を行っていきます。

5.発表する
最終作品はオンラインの創作発表会として皆で発表し合います。発表会は内輪の回になるかもしれませんが、もちろん友人を招いても構いません。

本授業は、夏休みに集中講座として実施します。1日に2コマ分の授業(90分×2) を5日行った後、最終日に3コマ分の授業(90分×3)を行い、最終日の3コマ中、最後の2コマを成果発表会にあてます。オンラインはこの授業時間でのリアルタイムで行います。
授業は8月11日(火)~16日(日)の6日間を予定しています。開始時間は13:30とし、1コマ目(13時30分~15時)、2コマ目(15時15 分~16時45分)を用い、それに加えて、16日は3コマ目(17時00分~18時30分)を用いる予定ですが、授業を進める中で時間の調整を行っていきます。

講義内容は今のところ未定です。予定している内容も変更となる可能性がありますことを、ご了承いただけますようお願いいたします。

第1回講義内容
自己紹介、オンラインでの身体ワークショップ

第2回講義内容
作品1の朗読と話し合い  相手に2行の詩を捧げる

第3回講義内容
その詩に2行の詩を加えて一つの詩を作る

第4回講義内容
作品2を朗読する

第5回講義内容
他者の朗読を聞いて、作品2について話し合う

第6回講義内容
2チームに分かれて作品2を読んで見る

第7回講義内容
一枚の絵を詩にしてみる、物語にしてみる

第8回講義内容
他者の話を聞く

第9回講義内容
他者の話から物語を作ってみる

第10回講義内容
創作発表の準備をする 1

第11回講義内容
創作発表の準備をする 2

第12回講義内容
作品発表会

第13回講義内容
作品発表会

その他の学習内容
  ・プレゼンテーション

成績評価方法

平常点(授業への積極的な参加、課題):60%
最終成果発表会:40%

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

プリントを適宜配布する

参考文献

随時紹介します。

受講上の要望、または受講上の前提条件

残念ながら、どのような授業にしていくのか、今の段階では担当教員も手探りです。しかし、ともに遠隔でもアカデミック・コミュニティを一から作ってみようという意欲のある方々の参加をお待ちしています。マイクとカメラがオンにできるPCでご参加ください。そのため履修者同士の個人情報などをきちんと守っていただくことが条件となります。また、カメラをオンにしていただくために、セキュリティが心配だという方は、履修をお控えください。

質問・相談:
授業の内容についてはchacky@keio.jpまでメイルでどうぞ。

分類:
総合教育科目 3分野科目(人文科学分野)となります。

募集人員:
募集人数は通信教育課程生 8名(受講者総数は20名で通学課程生12名との合同授業となります。)

履修手続について:
この授業を履修するためには別途申し込みが必要です。詳細は「夏期スクーリング案内(オンライン授業対応版)」11頁を参照してください。

履修者の選抜について:
応募者の申込理由などで審査し、教養研究センターが8名選抜します。
受講を許可された学生には7月中に通知します。