科目名 | |||
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哲学特殊 | |||
担当教員名 | |||
定森 亮 | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | 夜間スクーリング |
科目種別・類 | 第1類 | 単位 | 2 |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | 経済学部専門教育科目「社会思想史」として開講 |
設置年度 | 2020 | 授業コード | 62011 |
開講期間 | 10月7日(水)~1月6日(水) | 曜日・時間等 | 水曜日、18:20~20:05 |
今日、民主政治(デモクラシー)は唯一の「正しい」政治体制として考えられる傾向がある。しかし、18世紀までの多くの思想家たちは、むしろ民主政治は各人が自己の利益のみを追求することで無秩序と騒乱の原因になると考え、それが容易に衆愚政治へと転化してしまうことを危惧した。本講義では受講生が、①フランス革命以降、現代に至るまでの歴史を学んだ上で民主政治が抱える問題を批判的に考察すると同時に、⓶現代においてなおも共有しうる民主政治の価値がどこに存するのかを考えていくことを目標とする。
本講義は16世紀初頭のヨーロッパでの宗教改革から21世紀に至る歴史を、民主政思想の発展の観点から明らかにすることを試みる。この民主政思想の歴史は言論の自由、経済的平等、社会的正義、国際秩序等の評価を巡って、個々の時代の思想家たちがそれぞれに引き受けた問題に対する批判的な応答として描き出されることになる。
第1回講義内容
はじめに/民主政治とは何
第2回講義内容
ハンナ・アーレント『革命について』におけるフランス革命の評価
第3回講義内容
ハンナ・アーレント『革命について』におけるアメリカ独立革命評価
第4回講義内容
マキァヴェッリの『君主論』とマキァヴェッリズムの問題
第5回講義内容
宗教改革とヨーロッパ世界の変容
第6回講義内容
ホッブズにおける主権国家の設立と内乱の解決
第7回講義内容
ジョン・ロックにおける名誉革命体制の肯定と宗教的寛容
第8回講義内容
モンテスキュー『法の精神』におけるイギリス商業社会の分析
第9回講義内容
ジャン・ジャック・ルソー『社会契約論』における「一般意思」と民主政治の理論
第10回講義内容
アダム・スミス『国富論』における経済的自由の体系
第11回講義内容
マルクスの資本主義批判、トクヴィルによるアメリカの「デモクラシー」評価
第12回講義内容
総論 民主政治とは何か
その他の学習内容
・講義に関しての質問は、学期中に複数回提出してもらう予定の質問票にて受け付ける。
学期中に2回提出してもらうレポート(1000字程度)と、
3、4回程度提出してもらう予定のコメントカートの内容で決める。
社会思想の歴史―マキアヴェリからロールズまで/坂本達哉 名古屋大学出版会 2014
革命について/ハンナ・アレント ちくま学芸文庫 1995
受講上の前提条件は特にないが、
法学、経済学、文学その他、一つの学問に縛られずに、
むしろ多様な観点から個々の専門を見直してみたい、という学生を歓迎する。
授業内容は、進行具合に応じて若干変更することもある。