慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
文化人類学
担当教員名
宮下 克也
科目設置 法学部専門教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 甲類・乙類 単位 2
キャンパス 三田 共通開講学部 文学部専門教育科目:文化人類学
設置年度 2020 授業コード 52020
開講期間 II期 8/18~8/23 曜日・時間等 1~2限 9:00~12:45

授業科目の内容

授業は、大きく2つのセクション〈一般的理論〉〈観光と文化〉から構成されております。前半は、文化人類学の基本的な理論・学説の紹介。後半は地域活性化の一方策として注目されている観光について、人類学的なアプローチでその現象を分析することを目指します。
キーワード: 「身体化」「無意識」「意識化」「相対化」「他者のまなざし」「分類」

第1回講義内容
文化と文化相対主義 :文化人類学の成り立ちと基本理念を学ぶ

第2回講義内容
身体に刻まれる文化:文化が後天的なもの、そして無意識なものであることを事例で検討する。

第3回講義内容
分類の思考①:ジェンダー論「男/女であるのか」「男/女になるのか」

第4回講義内容
分類の思考②:人間の一生を分類する通過儀礼について

第5回講義内容
文化と経済活動:互酬性の諸相

第6回講義内容
他者表象:「他者をまなざす」こと「他者を描く」ことについて

第7回講義内容
観光と人類学① 沖縄の社会史

第8回講義内容
観光と人類学② 他者のまなざし。観光に必要なものは?

第9回講義内容
観光と人類学③ 無意識から意識へ/南国オキナワイメージの創出から〈琉球化〉へ

第10回講義内容
観光と文化④ 伝統文化とは何か?これまでの授業をふまえ現代における〈伝統〉文化のあり方を考える。

第11回講義内容
文化財保存とリノベーション(レスタウロ):文化財活用の仕方を日本とヨーロッパで比較し、そこから文化財に対する価値観の差異を検討する。

第12回講義内容
総括

その他の学習内容
  ・授業後にリアクションぺーパーを課す。

成績評価方法

最終日にレポートを課す。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

プリントを適宜配布する

参考文献

よくわかる文化人類学〔第2版〕/綾部恒雄/桑山敬己編 ミネルヴァ書房 2010

受講上の要望、または受講上の前提条件

私たちは自分の育った社会の文化的価値観を無意識に身につけ、それを通して異文化を捉えています。本講義では、文化の多様性を見聞し、最終的に自文化において「常識=当たり前」とされていることを相対化し再検討することを目指します。グローバリゼーションが進行し「異文化理解」の必要性が唱えられている現代社会だからこそ、「異文化を知り、自文化を相対化する」学問である文化人類学をぜひ学んで欲しいと考えます。