慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
西洋史概説
担当教員名
野々瀬 浩司
科目設置 法学部専門教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 甲類・乙類 単位 2
キャンパス 日吉 共通開講学部 文学部専門教育科目:西洋史概説
設置年度 2020 授業コード 52034
開講期間 I期 8/11~8/16 曜日・時間等 1~2限 9:00~12:45

授業科目の内容

科目の副題:「中近世における西洋文化史」

授業目的:
①西洋文化の精神的な根底に触れることによって、教養を深め、国際的な感覚を身に付け、異文化理解や異文化コミュニケーションのための基礎的な認識や視野を広げる。
②人文・社会科学的な思考に接することによって、論理性や客観性の追求のための方法論を学ぶ。
③外国の歴史や文化を学ぶことによって、現代の日本社会やその過去の歴史と文化を相対化し、別の視角から再検討する精神思考を育成し、自分という存在を問い直す契機を提供する。

授業の内容と計画:
 本講義では、基本的に概説的に中近世における西洋文化の歴史を概観する。途中で適宜変更する可能性もあるが、現段階では以下のような内容で進める予定である。本講義では、文学、音楽、絵画、彫刻といった芸術に対象を限定せずに、より幅広い文化一般、つまり、社会制度、経済活動、生活文化、精神文化、言語文化、地域文化、慣習、世界観、人間関係などを包括したものに関して言及する。また、年代史的に文化の流れや歴史的変遷について詳細に論じることはせずに、時代を西欧の中世中期から近代初期の間の時期に限って、特にドイツ語圏(ドイツ・スイス・オーストリア)での事例を中心にして、共時的な視点から文化史の講義を展開する予定である。随時日本文化との比較に触れながら、西洋文化を説明してみたい。異文化を理解するために、場合によっては視覚的な資料も利用する。

Ⅰ.文化の定義(文明との相違)
Ⅱ.中世ヨーロッパ人の世界観(時間論・空間論)
Ⅲ.中近世の農民とその文化
Ⅳ.中近世の市民とその文化
Ⅴ.中近世の貴族や騎士とその文化
Ⅵ.中近世の聖職者とその文化

第1回講義内容
文化の定義(文明との相違)

第2回講義内容
中世ヨーロッパ人の世界観(時間論・空間論)

第3回講義内容
中近世の農民とその文化(その1)

第4回講義内容
中近世の農民とその文化(その2)

第5回講義内容
中近世の農民とその文化(その3)

第6回講義内容
中近世の市民とその文化(その1)

第7回講義内容
中近世の市民とその文化(その2)

第8回講義内容
中近世の市民とその文化(その3)

第9回講義内容
中近世の貴族や騎士とその文化(その1)

第10回講義内容
中近世の貴族や騎士とその文化(その2)

第11回講義内容
中近世の聖職者とその文化(その1)

第12回講義内容
中近世の聖職者とその文化(その2)

その他の学習内容
  ・課題・レポート

成績評価方法

レポートを課して、その内容で成績をつける予定である。課題の内容は、後日提示する。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

パワーポイントで授業を行う。

参考文献

参考書は、授業中に随時紹介する。異文化を扱うので、ある程度難解な内容になることは、当然予想される。教科書としては用いないが、推薦図書としてホイジンガ著『中世の秋』(中公文庫)、トレルチ著『ルネサンスと宗教改革』(岩波文庫)、阿部謹也著『中世を旅する人々』(平凡社)を挙げておく。異文化に対する視覚的なイメージを持たせるために、場合によってはビデオ教材を使用する。

受講上の要望、または受講上の前提条件

できることならば、高校の世界史履修者が望ましい。ヨーロッパの地理についてもある程度把握している人が、受講上の前提条件である。