慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
社会学特殊
担当教員名
笠井 賢紀
科目設置 経済学部専門教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 単位 2
キャンパス 三田 共通開講学部 法学部専門教育科目:社会学特殊
設置年度 2020 授業コード 72023
開講期間 II期 8/18~8/23 曜日・時間等 1~2限 9:00~12:45

授業科目の内容

本科目では「共生社会」をテーマに理論・実践の両面から学ぶ。前半3日間は担当教員の共編著をテキストとして用い、編者自身による解説と批判的検討も踏まえながら議論を深める。後半3日間は共生の基礎となる「他者の理解」に関して質的社会調査のうち特に生活史法を挙げ、授業内の受講者参加型ワークを通じてその方法の理解を図る。

【追記】
後半3日間はスクーリングの良さを活かして演習的内容をふんだんに取り入れる予定だったが、オンライン化によりそれが叶わない。また、リアルタイム配信講義を成績評価につなげると通信環境や慣れによる著しい不公平が生じかねない。

そのため、本科目の運営方針を次のようにする。

(1) 全12回の内容はそれぞれオンデマンドで動画または資料+音声の形式にて収録し配信する。
 教員としては当初予定時間に受講することを想定するが、オンデマンド講義なので期間中の好きな時期に閲覧して良い。

(2) 後半3回の日程(8月21日、22日、23日)はそれぞれ午後1時から1時間程度のリアルタイム配信講義を行う。
 この講義の内容は、出席者のグループワークと、受講生からの質疑への教員からの応答である。
 グループワークに際してはWeb会議システムに必要なカメラとマイクを用いる。システムはZoomを利用する。
 ただし、リアルタイム配信講義はあくまで補完的な内容であり、成績評価には一切関係ない。

第1回講義内容
序章「所与の前提状況としての共生」

第2回講義内容
第1章「共生経済としてのフェアトレード」 第3章「『我々の世界を変革する』SDGsの展開と共生社会」

第3回講義内容
第2章「キリスト教倫理から見た共生と公共宗教」 第8章「落語と共生社会」

第4回講義内容
第4章「内発的発展を牽引するまちづくり人材」 第7章「アニメ聖地・埼玉県鷲宮におけるオタクと地域住民の邂逅」

第5回講義内容
第5章「多文化社会のための共闘と共生」 第6章「高齢者見守り活動におけるコーディネータの育成」

第6回講義内容
第9章「ポピュラー音楽が媒介する『移民国』ドイツの共生の作法」 第10章「米国VICE Mediaの表現形式に見る共生の作法」

第7回講義内容
生活史法について

第8回講義内容
生活史調査の具体例

第9回講義内容
生活史調査ワーク(1)

第10回講義内容
生活史調査ワーク(2)

第11回講義内容
生活史調査に基づく研究の例

第12回講義内容
総括

その他の学習内容
  ・課題・レポート

成績評価方法

成績評価の方法を当初より次のように全面的に変更する。オンライン化に伴う措置である。
本科目では第1日から第6日まで毎日、オンデマンド講義の内容に応じた課題が課される。それらの課題の合計点によって成績を評価する。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

『共生の思想と作法』/笠井賢紀・工藤保則 法律文化社 2020

参考文献

『栗東市の左義長からみる地域社会』/笠井賢紀 サンライズ出版 2019
『質的社会調査の方法』/岸政彦ほか 有斐閣 2016

受講上の要望、または受講上の前提条件

前半3日間はテキストを事前に読んでいる前提で講義を進めるものであり、テキストの要約を説明するものではありません。そのため、事前にテキストを入手し熟読してきて下さい。後半3日間は参考文献を読んでこなくても理解できるように講義を行いますが、関心に応じて参考文献にも触れてみて下さい。また、4-6日目のリアルタイム配信講義に出席できる場合、受講生同士が互いに聞き取り・語る場面があります。語りたくないことを無理に語る必要はありませんが、積極的にワークを体験し、調査の感触をつかんで欲しいと考えています。