科目名 | |||
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日本外交史Ⅱ | |||
科目設置 | 法学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 甲類・乙類 | 単位 | 4 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2021 | 授業コード | T0EC005302 |
第二次世界大戦後の日本外交は、今日に至るまで対米関係を基軸としてきた。それとは対照的に、中国との関係は時代ごとに揺れ動いてきた。その過程で、日本の対米外交と対中外交はどのような関係性にあったのだろうか。その変化の過程と背景を実証的に理解し、そこからみえる日本外交の特徴を考えたい。
教科書の構成は以下のとおりである。
第一章 敗戦と占領
第二章 冷戦下の講和と日本外交
第三章 戦後体制の成立
第四章 経済大国日本の外交
第五章 デタント化の日本外交
第六章 国際国家日本の外交
第七章 冷戦後の日本外交
第八章 小泉外交から民主党外交へ
第九章 第二次安倍政権の外交
レポートの課題を考えるにあたって、オーソドックスな読み方としては以下の時期区分をひとつの考察単位としてまとめるとよいだろう。
(1)1945年~1950年代(第一~三章)
(2)1960年代(第四章)
(3)1972年~1992年(第五~六章)
(4)1990年代以降(第七~九章)
ただし、それ以外の独創的な視点を排除するものではない。
個々の具体的な事実や出来事の背景に一定の普遍的な意味付けを読みとくのが学問的アプローチである。日本の主観を投影させることには禁欲的に、国際政治の全体像の中に日本を相対化する視点を持ちたい。
科目試験による。
添谷芳秀『日本の外交―「戦後」を読みとく』ちくま学芸文庫、2017年
国分良成、添谷芳秀、高原明夫、川島真『戦後日中関係史』有斐閣、2013年
レポート課題に対するいわゆる「正解」は存在しない。また、単なる事実関係の羅列に終わらないように留意したい。分析視角(事実関係に一定の意義付けを与える一貫した視点)に一定のセンスや論理性があり、全体の考察に分析的なまとまりがあることが重要である。
「はじめに」で、課題に対してどのような視点(切り口、分析視角)から考察するのかを述べ、本論を論理的に章立てし、「おわりに」で当初設定した分析視角に戻って結論をまとめる、という構成にすること。本論での考察では、分析視角に関連した事実関係を整理し、その視点から抜け落ちるものがあってもよい(というより、一貫したまとまりのあるレポートにはその方がよい)。
また、文献を参照したところは、正確に注を記すこと。