慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
図書館・情報学
担当教員名
岸田 和明
科目設置 文学部専門教育科目 授業形態 春期週末スクーリング
科目種別・類 第1類 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 経済学部、法学部でも開講する。
設置年度 2021 授業コード 52127
開講期間 2021年6月12日〜6月27日 曜日・時間等 第1週6/12・13、第2週6/19・20、第3週6/26・27、土曜日13:30〜17:15、日曜日9:00〜12:45

実施形態

オンライン授業(オンデマンド形式)

上記の授業を実施するにあたり学生が準備しておくもの

教材はPDFファイルです。音声は含まれません(音声で読み上げるべきことがらを、すべて文字で記述しています。繰り返し読んでください)。また、インターネットを経由して、実際の検索システムを使ってもらいます(標準的なウェブブラウザを使用)。以上のコンピュータおよびネットワーク環境を用意してください。

授業科目の内容

図書館・情報学はいくつかの領域に分かれるが、その中でも、今年度は、特に「情報の蓄積と検索」に焦点を当てる。コンピュータが普及する以前は、情報を検索するには図書館に行かねばならず、そこでは、所蔵資料に関する情報が図書館目録で提供されていた。その後、目録のデータがデータベースとして蓄積され、コンピュータによって検索できるようになった。この「目録データの蓄積」が「情報の蓄積」、「コンピュータによる検索」が「情報の検索」に相当し、前者は情報資源組織論、後者は情報検索論として、それぞれ、図書館・情報学の中心領域のひとつとなっている。この授業では、この情報資源組織論と情報検索論について、図書館・情報学の基礎知識をもたない受講生向けに、解説していく。なお、現在の情報資源の組織化や情報検索にはコンピュータの技術が応用されており、その結果、この授業の内容についてもまた、コンピュータやネットワークに関連するものが多くなっている。

第1回講義内容
準備(1)情報とは:「データ・情報・知識・知恵」の相違について理解する。

第2回講義内容
準備(2)情報システムとは:「情報管理」や「情報システム」の概念について理解する。

第3回講義内容
情報の蓄積(1)分類・索引・目録:日本十進分類法(NDC)や索引による資料組織法を学ぶ。図書館目録の概略を理解する。

第4回講義内容
情報の蓄積(2)排列と関係データベース:モノを検索可能なように並べるための「排列」の概念を理解し、その種の排列なしに、データの管理・検索を可能にする関係データベースを学ぶ。

第5回講義内容
情報の蓄積(3)文字コードとデジタル化:文字、音声、映像、画像を一括して蓄積し処理するためのマルチメディア技術について学ぶ。

第6回講義内容
情報検索(1)情報検索の歴史:デジタルコンピュータの登場から現在のインターネット検索エンジンに至るまでの情報検索の歴史を概観する。

第7回講義内容
情報検索(2)情報検索の原理:語分割や索引ファイル作成などの情報検索システムの基礎について学ぶ。

第8回講義内容
情報検索(3)検索性能向上のための技法:検索もれや検索ノイズを防ぐための統制語彙について学ぶ。

第9回講義内容
情報検索(4)情報検索システムとデータベース:実際の検索システムの使い方やインターネット検索エンジンのアルゴリズムについて学ぶ。

第10回講義内容
情報検索(5)情報検索のプロセスと評価:実際の情報検索のプロセスやその検索結果の評価方法について学ぶ。

第11回講義内容
メタデータ(1):図書館目録を一般化した「メタデータ(metadata)」の基礎について学ぶ。

第12回講義内容
メタデータ(2):メタデータの応用とその可能性について学ぶ。

その他の学習内容
  ・課題・レポート

成績評価方法

(1)第1~12回の各回での重要語(各回5~6語程度)を短く解説したものの提出(授業内課題、2~3回分ごとの提出を予定)
(2)期末レポートの提出(検索実習課題を各自で行ってもらい、それについてのレポートが中心)

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

プリントを適宜配布する
※12回分を一括した独自の教科書を、授業の最初にダウンロードできるようにします。それを読み進めていってください。

受講上の要望、または受講上の前提条件

いわゆる「プリント」として配布する資料は、A4サイズで約120ページのオリジナル教科書であり、口語体で書いてあります。つまり、対面授業で話す内容をそのまま文字にし、その際に資料として配布する図をすべて組み込んだ形になっています。ですので、これを「繰り返し」読めば、授業の内容をほぼ完全に理解できると思います。授業内課題については、2~3回分を適宜、提出してもらうことになりますが、その課題内容は「重要語の解説」であり、教科書を深く読み込んでもらうことを目的としています(ですので、自分で何か調べるというわけではありません)。最後に、期末レポートとして、情報検索の実習課題に取り組んでもらいます(この課題にはウェブブラウザが使えれば十分です)。