科目名 | |||
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哲学 | |||
担当教員名 | |||
岡嶋 隆佑/戸澤 幸作 | |||
科目設置 | 総合教育科目 | 授業形態 | 夜間スクーリング |
科目種別・類 | 3分野科目/人文科学分野 | 単位 | 2 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2021 | 授業コード | 12101 |
開講期間 | 10月6日(水)〜12月22日(水) | 曜日・時間等 | 水曜日、18:20~20:05 |
オンライン授業(オンデマンド形式)
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この講義では、前後半に分かれて異なる二つの哲学的な問題を紹介し検討します。
前半の岡嶋パートでは、20世紀のフランスの哲学者アンリ・ベルクソンの著作を講読する形で、自由の問題を扱います。まず、自由の問題について考察するために必要な、意識的な状態がもつ質感や、その量的表現、意識的な時間とその数的表現など、主張な論点を検討します。その上で、自由にかかわる哲学上のトピックである、偶然性や予見可能性、因果性といった諸問題に取り組みます。
講義後半の戸澤のパートでは、哲学における基礎の問題について考えます。私たち人間は、基礎や根拠、あるいは理由を求める生き物です。しかし、これは考えてみれば不思議なことです。人間はあらゆることに確かな基礎を求め、時には自らの生やこの世界にさえ根拠や理由を求めます。では、この基礎とはいったい何でしょうか。それを求めようとすることには、どのような意味があるのでしょうか。この問いは、もしかしたら哲学という営みそれ自体の核心に存する問いなのかもしれません。このパートでは、20世紀フランスの代表的な哲学者の一人であるジル・ドゥルーズの講義録である『基礎づけるとは何か』を主たる手がかりにします。ドゥルーズはフランス現代思想の哲学者として有名ですが、同時に優れた哲学教師でもありました。この著作は、そんなドゥルーズが30代前半の頃、リセの教師として行った哲学における基礎の問題に関する講義の記録です。若きドゥルーズが当時のフランスの高校生たちに語りかけた問題に、私たちも取り組んでみましょう。
第1回講義内容
イントロダクション・人物紹介(岡嶋)
第2回講義内容
意識の質と量(岡嶋)
第3回講義内容
意識的時間①(岡嶋)
第4回講義内容
意識的時間②(岡嶋)
第5回講義内容
自由意志と決定論①(岡嶋)
第6回講義内容
自由意志と決定論②(岡嶋)
第7回講義内容
講義後半イントロダクション:基礎の問いと哲学(戸澤)
第8回講義内容
本能と制度、あるいは自然と理性(フロイト、エリアーデ、マルクス)(戸澤)
第9回講義内容
基礎と存在(ヒュームからカントへ、超越論的なものの探究の発見)(戸澤)
第10回講義内容
基礎と「問い」⑴答えを求める問い(ソクラテスとキルケゴール)(戸澤)
第11回講義内容
基礎と「問い」⑵原理を求める問い(ライプニッツにおける充足理由律と同一律)(戸澤)
第12回講義内容
基礎と「問い」⑶偽物を告発する問い(カント、ベルクソン)(戸澤)
その他の学習内容
・毎回の授業後に簡単なフィードバック・コメントを書いてもらいます(成績評価には含みません)。
全授業終了後に設けられる期日までに提出されるレポートによって評価します。
指定しない。
意識に直接与えられたものについての試論/アンリ・ベルクソン ちくま学芸文庫 2002
基礎づけるとは何か/ジル・ドゥルーズ ちくま学芸文庫 2018
岡嶋パートでは基本的に参考文献に挙げた、ベルクソンの著作に沿って授業を行います。戸澤パートは上掲のジル・ドゥルーズの著作を下敷きにしますが、上に書いたように、この著作は高校生向けに行われた講義の記録であり、哲学及び哲学史の入門的な内容です。フランス現代思想に関する講義ではありませんのでご注意ください。