科目名 | |||
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文学C | |||
担当教員名 | |||
植松 公彦 | |||
科目設置 | 総合教育科目 | 授業形態 | 夜間スクーリング |
科目種別・類 | 3分野科目/人文科学分野 | 単位 | 2 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2021 | 授業コード | 12114 |
開講期間 | 10月1日(金)〜12月24日(金) | 曜日・時間等 | 金曜日、18:20~20:05 |
オンライン授業(オンデマンド形式)
唐李瀚撰の『蒙求』は中国古代の著名人の伝記・逸話を集めた、当時の児童向けの啓蒙書で、平安時代にはすでに日本にも伝わり、漢文初学者向けの教科書として広く長く用いられて、日本人の中国古代に対する知識・教養の源泉の一つになりました。
『蒙求』は伝来当初は貴族に珍重されていたのですが、中世以降は僧侶や武士にも普及し、近世になると庶民にも流行しました。さらに明治時代には夏目漱石も愛読し、彼の筆名の「漱石」は『蒙求』によったことがよく知られています。
本講義では皆さんと一緒に『蒙求』の何篇かを読んで、漢文の歴史・文法・語彙などを学び、『蒙求』の内容を味わい、その背景にある中国の伝統的な物事の見方について考えて、皆さんが今後も漢文を読んでいくための基礎を養います。
また漢文は一見私たちの日常生活からは遠い存在のようですが、漢文が日本語の形成と運用にとって今なお欠くことのできない存在であることはいうまでもなく、漢文を読むことは日本語を学ぶことでもあるといって過言ではないでしょう。
皆さんには毎回配布する教材を使って、『蒙求』一篇ごとに1回目に返り点をつけ、2回目に現代語訳して、それぞれ課題として提出し、各解答例と照らし合わせて自分で添削してもらいます。比較的細かい作業なので、着実に取り組んでください。
第1回講義内容
「鮑靚記井」を読む(1)
第2回講義内容
「羊祜識環」を読む(1)
第3回講義内容
「鮑靚記井」を読む(2)
第4回講義内容
「羊祜識環」を読む(2)
第5回講義内容
「仲容青雲」を読む(1)
第6回講義内容
「叔夜玉山」を読む(1)
第7回講義内容
「仲容青雲」を読む(2)
第8回講義内容
「叔夜玉山」を読む(2)
第9回講義内容
「毛義奉檄」を読む(1)
第10回講義内容
「子路負米」を読む(1)
第11回講義内容
「毛義奉檄」を読む(2)
第12回講義内容
「子路負米」を読む(2)
その他の学習内容
・課題・レポート
毎回の課題の提出状況・解答水準によります。
教材は毎回kcc-Trackで配布します。
漢文の素養 誰が日本文化をつくったのか?/加藤徹 光文社新書 2006
漢文と東アジア 訓読の文化圏/金文京 岩波新書 2010
漢文脈と近代日本/齋藤希史 角川ソフィア文庫 2014
中学・高校で学ぶような漢文は皆さんが一度は読んだことがあるのを前提に講義を進めます。漢和辞典はなくても受講できますが、小型版でも1冊はあると理解がさらに深まります。