科目名 | |||
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ドイツ文学研究 | |||
担当教員名 | |||
識名 章喜 | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | 夏期スクーリング |
科目種別・類 | 第3類 | 単位 | 2 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2021 | 授業コード | 52153 |
開講期間 | II期 8/17~8/22 | 曜日・時間等 | 3~4限 14:15~18:00 |
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E.T.A.ホフマンとその時代について講ずる。ドイツ・ロマン派を代表するE.T.A.ホフマン(1776~1822)は、怪奇・幻想の独創的な作家として今なお日本の読者にも人気を誇っている。しかしホフマンの生きた19世紀前半は、ナポレオンの登場によってヨーロッパの秩序が壊され、当時のプロイセンやオーストリアの政治体制が大きく揺れた激動の時代でもあった。プロイセンの法務官僚を勤めながら、音楽家への夢を断ちきれなかったホフマンも社会の大変動に翻弄された人生を送った。作家としての活動は10年そこそこだったものの、当時の流行作家の一人だった彼の作品から、19世紀のドイツ語圏の趣味嗜好や生活の細部が生き生きと浮かびあがる。破綻しかかる宮廷社会、大都市ベルリンの活気(ファッションや劇場)、文学の新しい潮流、自動人形、ベートーヴェンの音楽、ドイツ語によるオペラ、イタリア喜劇、共和主義的な民主主義を求める大学生の政治運動。一般にゲーテ時代と呼ばれるドイツ文学がもっとも活気のあった時代の息吹をホフマンほど伝えてくれる作家はいない。本講義ではホフマンの生涯をたどり、その代表作について論じながら、19世紀初頭のドイツ社会の諸相について作品解釈に必要な注釈を加え、ドイツ・ロマン派文学の魅力について語っていきたい。
第1回講義内容
導入。参考文献の紹介。ホフマン研究の現在。ホフマンの生地ケーニヒスベルクと青年時代。
第2回講義内容
大都市ベルリン。1800年前後のドイツ文学。
第3回講義内容
音楽家としての夢と法律家としての人生。音楽家の条件と天才ベートーヴェン。
第4回講義内容
ワルシャワのホフマン。ナポレオンの侵攻による失職。
第5回講義内容
バンベルクの音楽監督。音楽家としての挫折。執筆活動の開始。処女作「騎士グルック」の意義。
第6回講義内容
バンベルク時代の恋愛。ユーリア体験の意味。
第7回講義内容
ドレスデン・ライプツィヒ時代。
第8回講義内容
ドレスデンでの戦争体験と『黄金の壺』の成立。
第9回講義内容
作家ホフマンの誕生とベルリンでの復職。
第10回講義内容
オペラ『ウンディーネ』にかける思いと流行作家。
第11回講義内容
ホラーの傑作「砂男」と完成度の高い傑作『ブランビラ王女』:「シュモリング事件」のホフマン鑑定と責任能力めぐる問題について。
第12回講義内容
晩年の悲運。扇動者追及委員会の仕事と『蚤の親方』。
その他の学習内容
・課題・レポート
複数回のレポートの内容で判断します。
プリントを適宜配布する
くるみ割り人形とねずみの王様/ブランビラ王女/ホフマン 光文社 2015
ホフマン短篇集/ホフマン 岩波書店 1984
ドイツ語の知識は前提としませんが、授業時にところどころドイツ語表記が出てきます。あらかじめホフマンの作品のいくつかをを日本語訳で読んでおくことを勧めます。