慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
ギリシア文学
担当教員名
中谷 彩一郎
科目設置 文学部専門教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 第3類 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2021 授業コード 52158
開講期間 I期 8/10~8/15 曜日・時間等 3~4限 14:15~18:00

実施形態

オンライン授業(オンデマンド形式)

オンライン授業(リアルタイム形式)

上記の授業を実施するにあたり学生が準備しておくもの

Zoomへの接続環境:オンデマンド配信講義を中心に、受講生と直接話せるリアルタイム配信のオフィスアワー的な時間(参加は任意)も何度か設けることができればと考えています。

授業科目の内容

紀元後1〜4世紀にローマ帝政下のギリシア語世界で書かれた古代ギリシア恋愛小説を扱います。この物語群は16世紀以降、近代ヨーロッパの文学、文学理論、絵画、音楽など様々な分野に多大な影響を与えましたが、いわゆる近代小説の登場以降忘れ去られ、近年また注目されるようになってきました。代表的な作品にはヘリオドロス『エティオピア物語』やロンゴス『ダプニスとクロエ』があります。レスボス島に舞台を絞り、牧歌の影響も受けている『ダプニスとクロエ』を除いて、そのほとんどが地中海を股にかけた若い男女の波瀾万丈の恋と冒険の物語です。本講義では翻訳を通して作品のさわりの部分に触れ、それぞれの作品構造について解説すると共に、後代の文学や藝術への影響についても最後に扱うことができればと考えています。

第1回講義内容
古代ギリシア恋愛小説とは?

第2回講義内容
カリトン『カイレアスとカッリロエ』

第3回講義内容
カリトン『カイレアスとカッリロエ』(続き)・エペソスのクセノポン『エペソス物語(ハブロコメスとアンティア』

第4回講義内容
エペソスのクセノポン『エペソス物語(ハブロコメスとアンティア』(続き)

第5回講義内容
アキレウス・タティオス『レウキッペとクレイトポン』

第6回講義内容
アキレウス・タティオス『レウキッペとクレイトポン』(続き)

第7回講義内容
ロンゴス『ダプニスとクロエ』

第8回講義内容
ロンゴス『ダプニスとクロエ』(続き)

第9回講義内容
ヘリオドロス『エティオピア物語(テアゲネスとカリクレイア)』

第10回講義内容
ヘリオドロス『エティオピア物語(テアゲネスとカリクレイア)』(続き)

第11回講義内容
ヘリオドロス『エティオピア物語(テアゲネスとカリクレイア)』(続き)

第12回講義内容
古代ギリシア恋愛小説の受容

その他の学習内容
  ・課題・レポート
  ・小テスト

成績評価方法

毎回の講義への小テスト(=リアクションペーパー)12回分と最終レポート

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

プリントを適宜配布する
授業で読むテキストの抜粋のコピーおよび講義のハンドアウトを適宜配布します。

参考文献

古代文学集(世界文学大系64)/ロンゴス、クセノポン、タティオス他 筑摩書房 1961
カイレアスとカッリロエ/カリトン(丹下和彦訳) 国文社 1998
レウキッペとクレイトポン/アキレウス・タティオス(中谷彩一郎訳) 京都大学学術出版会 2008
ダフニスとクロエー/ロンゴス(松平千秋訳) 岩波文庫 1987
エティオピア物語/ヘリオドロス(下田立行訳) 国文社 2003

受講上の要望、または受講上の前提条件

長めの散文フィクションなので、読むテクストの量がかなり多いため、授業でもさわりの部分は実際に紹介しますが、あらかじめ配布されたテクストを読んでおくことを勧めます。作品全体を読みたい場合や解説なども合わせて読みたい場合には、上記参考文献も適宜参照してください(抜粋のコピーもこれらの書籍から取っています)。